イン・ザ・メガチャーチ
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰するーー。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側ーー世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ
文学賞別に受賞作品を探すことができます
2004年に創設された、全国の書店員が投票で選ぶ文学賞。「いちばん売りたい本」をテーマに、読者目線で選ばれた作品が受賞します。書店員の生の声が反映される点が特徴です。
書店員が選んだ、本当に読んでほしい本。
1935年に創設された大衆文学の優れた作品に贈られる文学賞。芥川賞と同時に選考され、エンターテインメント性と文学性を兼ね備えた作品が対象となります。
読みやすさと深みを両立した、最高のエンターテインメント作品。
1935年に創設された純文学の新人作家に贈られる文学賞。文藝春秋社が主催し、年2回選考されます。選考基準は文学性と新しさで、文壇の登竜門として知られています。
次世代の作家が紡ぐ、心に響く物語。
1965年に創設された文学賞。現代日本文学に大きな足跡を残した谷崎潤一郎の業績を記念し、中央公論社が主催します。優れた文学作品に贈られ、文壇で高い評価を受けています。
伝統と革新を兼ね備えた名作との出会い。
593件
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰するーー。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側ーー世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ
刑事たちの昭和は終わらない。 真犯人が見つかる、その日まで。 1974年に起きた一家惨殺事件。 未解決のまま50年ーー。 アパートで見つかった、一体の死体によって事件の針は再び動き出す。 嵐の夜、夫婦とその娘が殺された。現場には四人の実行犯がいたとされるが、捕まったのは、たった一人。策略、テロ、宗教問題……警察は犯人グループを追い詰めながらも、罠や時代的な要因に阻まれて、決定的な証拠を掴み切れずにいた。50年後、この事件の容疑者の一人が、変死体で発見される。 現場に臨場した藤森菜摘は、半世紀にも及ぶ捜査資料を託されることに。上層部から許された捜査期間は一年。
出版社:講談社
弟を亡くした主人公が、弟の元恋人が運営する家事代行サービス「カフネ」に関わりながら心の再生を遂げる姿を描く。喪失と再生、日常の中の優しさが静かに響く物語。
東京・上野のカフェーで女給として働いた、 みんな、みんな、愛おしい。 大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出す。 襷がけの二人の著者、心ふるえる最新作。 東京・上野の片隅にある、あまり流行(はや)っていないカフェー西行。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹久夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは西行で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが……。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。
第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ある家に暮らしていた三代の住人たちの存在と記憶、感情がよみがえるーー。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が傑出した完成度で描く、あたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。 紐解かれていく時の家の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。
聞いて欲しい人が、ひとりおるんです。政と聖を描く、衝撃の芥川賞候補作。早野ひかるは先生に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って陛下への花束を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和がつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。
これほどの強度の小説は滅多にないし、ここには真の意味での熊がいる。--古川日出男 いつかこんな夢の中に自分もいたような気がする。止まらない余震のような小説。--斎藤真理子 暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。 津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。 震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の無銘の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、無銘が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で無銘にまつわる事件が巻き起こる。
嘘つき姫で鮮烈デビュー、2作目海岸通りで芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の本物を探すみなさま、この才能を、見つけてください。 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。
出版社:河出書房新社
AIマッチングアプリが普及した近未来を舞台に、人間の恋愛と関係性の本質を問いかける意欲作。デジタル技術が人間関係を支配する世界で、主人公は本当の愛とは何かを模索する。
出版社:文藝春秋
ゲーテの言葉を巡る物語。文学と人生の交差点で、言葉の持つ力と意味を探求する作品。主人公は偉大な文豪の言葉に導かれながら、自らの人生の意味を見出していく。
出版社:新潮社
結合双生児として生まれた姉妹の物語。分離手術後、姉を亡くした妹が四十九日の間に姉の存在と向き合い、自己のアイデンティティを問い直す。生と死、個と全体の境界を繊細に描く。
出版社:講談社
建築外装修繕会社に勤める主人公が、同僚に誘われ六甲山登山に参加する。やがて社内登山グループは正式な登山部となり、ベテラン社員が行う「バリ山行」(登山道を外れる登山)の存在を知る。
出版社:新潮社
近未来の東京を舞台に、「シンパシータワートーキョー」と呼ばれる犯罪者収容施設の建設を巡る物語。建築家の主人公がAIと共存する社会での人間のあり方を問いかける意欲作。
出版社:新潮社
科学的なテーマと人間ドラマを融合させた短編集。山口県の火山島・見島で萩焼の伝説の土を探す物語、絶滅したニホンオオカミにまつわる話、長崎の原爆被害の破片を集めた物語、北海道の隕石落下地点を巡る妊婦の物語、そして徳島県の漁村でウミガメの卵を孵化させ育てようとする中学生の少女と60代の女性の交流を描く表題作など、日本各地の自然や文化を背景に、科学的な視点と人間の心の機微を巧みに織り交ぜた5つの物語。
出版社:光文社
「罪」と「パンデミック」を組み合わせた造語がタイトル。新型コロナウイルスの流行下で生じた人々の罪や葛藤を描いた全6編の短編集。大学を中退し夜の街で客引きのアルバイトをしている青年が、亡くなったはずの同級生と名乗る女性と出会う「違う羽の鳥」、調理師の職を失った父親が息子から奪った旧一万円札でたばこを買い、後悔する「特別縁故者」など、パンデミックによって歪められた日常の中で、人々が抱える罪や葛藤を鮮烈に描き出す。
出版社:集英社
コロナ禍に別々の場所で暮らす三人の生活が織りなす日常と時間の蓄積を描いた長編。 “続き”と“始まり”をめぐる繊細な心理と時間観が深く重なる物語。
出版社:新潮社
コロナ禍の大型商業施設で働く若者たちを主軸に、自己実現と日常の狭間で揺れる心情を瑞々しく描く青春群像劇。個々の葛藤と希望が丁寧に響く物語。
安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、暴力から暴を取りはずす旅の物語が出現したことは、一つの事件だ。 読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ。 強烈な皮肉とクールな文体。 私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。 どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた。 語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。
幼い頃に母を亡くし、父が再婚した継母とうまくいかず不登校になった岸本聡里。愛犬だけが心の支えだった聡里は、祖母に引き取られペットたちと暮らすうち、獣医師を志すように。北農大学獣医学類に入学すると、慣れない寮生活が始まった。面倒見のよい先輩、気難しいルームメイト、志をともにする同級生らに囲まれ、学業や動物病院でのアルバイトに奮闘する日々。伴侶動物の専門医を目指していた聡里だが、馬や牛など経済動物の医師のあり方を目の当たりにし、生きることについて考えさせられることにー北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作!
出版社:文藝春秋
先天性ミオパチーにより人工呼吸器を使用し、電動車椅子で生活する主人公・井沢釈華。グループホームで暮らしながらライターとして活動する彼女の視点から、障害者の性と生を鋭く描く。
出版社:新潮社
東日本大震災後の宮城県を舞台に、造園業を営む主人公と家族の日常を描く。震災から10年以上が経過した被災地で、人々がどのように生きているかを静かに見つめる。
出版社:新潮社
明治後期の北海道を舞台に、山中で孤独に暮らす猟師・熊爪が主人公。獣のような嗅覚で獲物を追い、自然と共に生きる彼の縄張りに、遠く阿寒から追われた手負いの羆(ひぐま)が侵入する。自らの領域を荒らされたと感じた熊爪は、この侵入者との死闘に臨む。人間と獣の業と悲哀を描き、動物文学の最高到達点と評される作品。
出版社:文藝春秋
京都を舞台にした二つの青春物語を収めた短編集。女子全国高校駅伝大会で方向音痴の補欠選手が和服姿の男性たちに導かれる「十二月の都大路上下ル」、大学4回生が借金のカタとして参加した早朝の草野球大会で、通りすがりの青年たちと出会い、戦争で断ち切られた過去の野球への想いに触れる「八月の御所グラウンド」。京都という歴史ある街を背景に、過去と現在が交錯する不思議な出会いと青春のほろ苦さを描く。
出版社:文藝春秋
室町幕府を開いた足利尊氏を主人公とした歴史小説。本作では、尊氏が「極楽殿」と呼ばれるほどの能天気で、決断力や胆力に欠け、政治にも無関心な人物として描かれる。物語は、尊氏の弟・直義や側近・高師直の視点から進行し、彼らが尊氏を支えながら、鎌倉幕府の滅亡から室町幕府の成立、さらには南北朝時代の動乱を乗り越えていく様子が描かれる。従来の尊氏像とは異なる新たな視点で彼の人物像を描き出す。
出版社:新潮社
雪の降る夜、江戸の木挽町にある芝居小屋の裏手で、美しい若衆・菊之助が父の仇である作兵衛を討ち取り、その首を掲げる見事な仇討ちから始まる。それから2年後、菊之助の縁者と名乗る侍が芝居小屋を訪れ、当時の目撃者たちに話を聞き始める。元幇間、立師、衣装部屋の女形など、芝居小屋の裏方たちの証言を通じて、あの夜の仇討ちの真相が徐々に明らかになっていく。各章で語り手が交替し、それぞれの視点から事件が描かれる多層的な物語。
出版社:毎日新聞出版
かつての生活の痕跡を残す水車小屋を舞台に、家族や記憶、時間の流れを柔らかく切り取る長編。 静謐な筆致で日常の美しさと深い哀愁を描く。
ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。 私はなぜこの人に求められたのかーー。 芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。 女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。 いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。 第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞、二冠の作品がついに文庫化!
出版社:講談社
職場の人間関係と「食」をめぐる物語。手作りお菓子を配る同僚への複雑な感情を通じて、現代社会の息苦しさと人間関係の難しさを描く。
出版社:集英社
日露戦争前夜から第二次世界大戦までの半世紀を、満洲の架空都市「李家鎮」を舞台に描いた歴史小説。多様な背景を持つ人物たちの運命が交錯する壮大な物語。
出版社:新潮社
戦国時代末期の石見銀山を舞台に、少女ウメの波乱に満ちた生涯を描いた長編小説。貧しい農村から夜逃げしたウメが、両親とはぐれた末に石見銀山で天才山師・喜兵衛に拾われる。ウメは銀山での過酷な労働や、男社会の中での理不尽さを経験しながらも、自立した女性へと成長していく。
出版社:文藝春秋
喪失や孤独を抱える人々が再び誰かと心を通わせる過程を描いた5編の短編集。コロナ禍で婚活アプリの恋人との関係に悩む女性と、早世した双子の妹の恋人だった男性が喪失感を共有する「真夜中のアボカド」、いじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、両親の離婚後、新しい家族と暮らす小学4年生の戸惑いを描く「星の随に」など、コロナ禍や家族の変化など、現代社会のさまざまな状況下での人々の心の揺らぎや再生を繊細に描く。
出版社:新潮社
人と人との「距離」や関係性を繊細に捉える長編。内面の揺れや日常の些細な不安が象徴的なイメージ (ミトンやふびん)を通して描かれる、深い感情の風景。
出版社:早川書房
第二次世界大戦下の東部戦線で、少女たちが過酷な戦闘に巻き込まれる。友情と恐怖、希望と絶望が交錯し、人間の強さと脆さが浮き彫りになる戦争文学の傑作。
第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補高瀬庄左衛門御留書の砂原浩太朗が描く、 陥穽あり、乱刃あり、青春ありの躍動感溢れる時代小説。 道は違えど、思いはひとつ。 政争の嵐の中、三兄弟の絆が試される。 高瀬庄左衛門御留書の泰然たる感動から一転、今度は17歳の武士が主人公。 神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、 道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。しかし人生の転機を迎え、 大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。そのさなか、 黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。
第43回吉川英治文学新人賞受賞! 共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの小さな世界。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。吉川英治文学新人賞受賞、珠玉の短編集。 小さな世界たち。
月昂と呼ばれる感染症が広がり、人々を不安に陥れている近未来の日本。一党独裁政権が支配する社会で、感染者の青年・冬芽は独裁者の歪んだ願望により、命を賭した闘いを強いられる。生き延びるため、愛を教えてくれた女のため、冬芽は挑み続けるーー表題作。月をモチーフに、著者の底知れぬ想像力と卓越した筆力が構築した、かつて見たことのない物語世界。本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞W受賞という史上初の快挙を成し遂げた真の傑作。
出版社:講談社
ドイツ・ゲッティンゲンに暮らす主人公のもとに、東日本大震災で行方不明になった友人が現れる。生と死、記憶と喪失をめぐる幻想的な物語。
出版社:河出書房新社
アイドルを「推す」ことだけが生きがいの女子高生・あかり。推しがスキャンダルで炎上したとき、彼女の世界は崩れ始める。現代の「推し文化」を鋭く描いた話題作。
出版社:集英社
戦国時代の石垣職人と鉄砲職人の対決を描いた歴史小説。幼少期に越前・一乗谷城の落城で家族を失った匡介は、石垣職人の源斎に助けられ、穴太衆の飛田屋で育つ。「絶対に破られない石垣」を作れば戦を無くせると信じ、技を磨き続ける匡介に対し、鉄砲職人の彦九郎は「どんな城も落とす砲」を作ることで戦を終わらせようとする。大津城の石垣改修を任された匡介と、その城を攻めるための鉄砲を作る彦九郎。二人の職人の信念と技術がぶつかり合う。
出版社:KADOKAWA
戦国時代の牢城を舞台にしたミステリー。黒牢城で起こる連続殺人事件を、知略に長けた主人公が解決していく。歴史小説とミステリーの融合した作品。
出版社:KADOKAWA
メキシコの麻薬密売組織の抗争で生き残ったバルミロ・カサソラが、インドネシアのジャカルタに潜伏し、そこで日本人医師・末永と出会うことから始まる。二人は日本に渡り、川崎で「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。さらに、川崎で天涯孤独の少年・土方コシモがバルミロに見いだされ、知らぬ間に彼らの犯罪に巻き込まれていく。物語の背後には、滅亡した古代アステカ王国の恐るべき神の影がちらつく。麻薬や臓器売買といった現代の闇と古代アステカ文明の神話が交錯する、新次元のクライムノベル。
出版社:文藝春秋
明治時代の天才絵師・河鍋暁斎の娘である河鍋暁翠(とよ)の生涯を描いた歴史小説。明治22年、暁斎が亡くなり、暁翠は家族を支える立場に立たされる。異母兄の周三郎(暁雲)は父の才能を受け継いだ絵師として自由に生き、弟の記六は放蕩生活を送り、妹のきくは病弱で頼りにならない。家族の重荷を背負いながら、暁翠は絵師としての道を歩み始める。しかし、写真や洋画の流行により、日本画の価値が問われる時代背景の中で、彼女は伝統的な日本画の技術を守りつつ、自らの道を模索していく。
出版社:新潮社
パンデミック下の閉塞した世界で生きる人々の姿を鮮烈に描いた作品集。 孤独や不安、社会的距離が人間関係に与える影響を痛烈な比喩と共に浮かび上がらせる。
出版社:中央公論新社
心の声を持つ“52ヘルツのクジラ”のように孤独な人々が交錯する群像劇。同調しない者たちが少しずつ互いの存在を感じ合い、共鳴しながら歩む日常が優しく描かれる物語。
心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女ーー。絶望に溺れて摑んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。
高校生限定のSNSアプリオルタネートが必須の現代。料理コンテストでの失敗に悩む調理部部長の蓉(いるる)は、再びの挑戦を決断。高校を辞め居場所を探す尚志(なおし)は、音楽家らのシェアハウスに潜り込む。オルタネートを信奉する凪津(なづ)は、アプリが導く運命の相手を探す。そして文化祭の初日、三人それぞれに起こる奇跡ーー。10代の過酷さと煌めきを鮮やかに切り取る、青春小説の新たなマスターピース。
“幸せ”じゃなくたって、私たちは生きていく。 本当に必要なものは何? 人生の必需品に翻弄される現代に放つ、心ふるわすシスターフッドの傑作。 第42回吉川英治文学新人賞受賞作! 遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月8万円を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らすーーそんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する! 祝デビュー10周年! 響け! ユーフォニアムシリーズ著者の新たな代表作!
出版社:新潮社
沖縄・首里に暮らす主人公が、閉館する資料館の整理を手伝う中で、一頭の宮古馬と出会う。沖縄の歴史と記憶、そして失われゆくものへの眼差しを描く。
出版社:文藝春秋
明治時代の北海道を舞台に、アイヌと和人、そしてロシア人たちの交流を描いた歴史小説。文化の衝突と融合、そして生きるための熱源を探す人々の物語。
出版社:文藝春秋
東日本大震災で飼い主と離れ離れになった一匹の犬「多聞」が、東北から九州まで旅をしながら、さまざまな人々と出会い、彼らの人生に影響を与える連作短編集。家族のために犯罪に手を染めた男、仲間割れを起こした窃盗団のリーダー、壊れかけた夫婦、死期を悟った老猟師、震災で心を閉ざした少年など、多聞は彼らの心に寄り添い、再生へのきっかけを与える。各エピソードを通じて、多聞が南の方角を目指して旅を続ける理由が徐々に明らかになり、最終章「少年と犬」でその謎が解き明かされる。人と犬の深い絆を描いた感動作。
出版社:文藝春秋
江戸時代の大坂を舞台に、人形浄瑠璃『妹背山婦女庭訓』の誕生と上演を支えた作者・役者・太夫たちの人生を描く長編歴史小説。 芸に身を捧げる者たちの情熱と葛藤、時代に翻弄されながらも物語を紡ぐ人間の「魂の結びつき」を重厚に描写する。
出版社:文藝春秋
大阪万博やロッキード事件、日航機墜落事故など戦後の日本を象徴する出来事を、 多様な語り手の視点で織り込みながら描く長篇小説。断片的な人生と歴史が重層的に交錯する物語。
出版社:東京創元社
ある誘拐事件に巻き込まれた少女と、その事件後に再会する青年の関係を描く。罪と許し、心の再生をテーマに、読み手の感情を深く掘り下げるヒューマンドラマ。
誰の心にも淀みはある。でも、それが、人ってもんでね 江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには心淋し川(うらさびしがわ)と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。 青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(閨仏)。 裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。
石田三成とは、何者だったのか。 加藤清正、片桐且元、福島正則ら 盟友七本槍だけが知る真の姿とは……。戦を止める方策や 泰平の世の武士のあるべき姿 を考え、女も働く世を予見し、 徳川家に途方もない経済戦を 仕掛けようとした男。誰よりも、 新しい世を望み、理と友情を信じ、 この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。
ショッピングモールスワンで無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められたお茶会の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。
出版社:文藝春秋
幻の書物「熱帯」を巡り、語り手が本と物語の迷宮へと引き込まれていく。 読書とは何か、物語とは誰のものかを問い続けるメタフィクション。 虚構と現実が溶け合う構成で、物語の根源的な力を描いた長編小説。
出版社:文藝春秋
日本海の離島で暮らす老女たちの日常と気候変動や国境をめぐる不安を描く長篇。老いと絆、生と死の境界が曖昧に交錯するなかで、静かな海と風景が心象を強く印象づける。
出版社:文藝春秋
血縁を超えた家族の形を描いたヒューマンドラマ。代わる代わる迎えられた養子たちが紡ぐ絆と、それぞれの過去と未来への思いを温かく描いた感動的な物語。
むらさきのスカートの女と呼ばれる女性が気になって仕方のないわたしは、彼女とともだちになるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。文庫化にあたって各紙誌に執筆した芥川賞受賞記念エッセイを全て収録。
草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。 記憶と歴史が結びついた、著者新境地。 大村奈美は、母の実家・吉川家の納屋の草刈りをするために、母、伯母、従姉妹とともに福岡から長崎の島に向かう。吉川家には<古か家>と<新しい方の家>があるが、祖母が亡くなり、いずれも空き家になっていた。奈美は二つの家に関して、伯父や祖母の姉に話を聞く。吉川家は<新しい方の家>が建っている場所で戦前は酒屋をしていたが、戦中に統制が厳しくなって廃業し、満州に行く同じ集落の者から家を買って移り住んだという。それが<古か家>だった。
ニュースという名の悪意--。 累計75万部突破罪の声の著者、真骨頂の報道小説! 地方紙記者の沢村は、調査報道チームのデスクから一枚の写真を見せられる。 同僚記者が、ひき逃げ事件の犯行車両とスクープしたものだ。 この車、遺族宅にあるらしい。 沢村は取材へ急行する。 犯人は家族なのかーー(黒い依頼)。 誤報を通じて現代社会の虚と実に迫る、著者会心の傑作。
エンジニアの文椎(ふづい)が作った広告ブロックアプリがインドネシアで突如売れ始めた。そこに隠された驚愕の事実とは。検閲や盗撮などの問題を描いた表題作ハロー・ワールドをはじめ、インターネッ トの自由を脅かす行為に、知識と技術で立ち向かう文椎の、熱く静かな闘いの物語。第40回吉川英治文学新人賞受賞作。
出版社:講談社
戦後の沖縄。米軍基地に反発する若者たちは「戦果アギヤー」として暗躍する。 失われた英雄の謎を追いながら、友情、裏切り、そして沖縄の戦後史が交錯する。 圧倒的スケールで描かれる群像歴史小説。
出版社:新潮社
過去の友人や恋人との再会を契機に、現在と過去の心象がせめぎ合う群像劇。人間関係の変容と喪失感を描きながら、焔のように瞬間的な記憶の煌めきを象徴的に綴る。
出版社:ポプラ社
現実と異世界の境界にある孤城を舞台に、不登校の少女や同じ悩みを持つ仲間たちが出会うファンタジー。対話と理解を通じて成長していく姿を繊細に描いた感動作。
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか? 臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 家族という名の迷宮を描く傑作長篇。 第159回直木賞受賞作。
第159回芥川賞受賞作。単行本未収録の2篇を加えて、待望の文庫化。 春休み、東京から東北の山間の町に引っ越した、中学3年生の少年・歩。 通うことになった中学校は、クラスの人数も少なく、翌年には統合される予定。クラスの中心で花札を使い物事を決める晃、いつも負けてみんなに飲み物を買ってくる稔。転校を繰り返してきた歩は、この小さな集団に自分はなじんでいる、と信じていた。 夏休み、歩は晃から、河へ火を流す地元の習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのは数人のクラスメートと、見知らぬ作業着の男だったーー。少年たちは、暴力の果てに何を見たのかーー。
仮想通貨をネット空間で採掘する僕・中本哲史。 中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。 小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。…… やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。すべては取り換え可能であったという答えを残して。 …… すごく好きです。胸がつまって泣きそうになりました。--島本理生さん (TBS系毎週土曜日あさ9:30〜放送中王様のブランチより ) 地上から塔の頂上へと、軽々と読者を運んでいく垂直の跳躍力こそがこの作家最大の魅力である。--吉田修一さん ここには小説のおもしろさすべてが詰っている。--山田詠美さん
デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、3敗1分けと敗けが込むプロボクサーのぼく。そもそも才能もないのになぜボクシングをやっているのかわからない。ついに長年のトレーナーに見捨てられるも、変わり者の新トレーナー、ウメキチとの練習の日々がぼくを変えていく。これ以上自分を見失いたくないから、3日後の試合、1R1分34秒で。青春小説の雄が放つ会心の一撃。芥川賞受賞作。
出版社:新潮社
心の奥底に潜む誇りと迷いを繊細な筆致で描いた長篇。名誉と幸福のはざまで揺れる人間の心理を追い、個々の記憶の断片が重なり合うさまを美しく描写する。
出版社:幻冬舎
国際ピアノコンクールに挑む若い奏者たちの物語。競技の緊張、音楽への情熱、勝利と挫折が交錯するなかで、音楽そのものの意味や芸術家の孤独と友情が鮮烈に描かれる群像劇。
あたしは、月のように死んで、生まれ変わるーーこの七歳の娘が、いまは亡き我が子? いまは亡き妻? いまは亡き恋人? そうでないなら、はたしてこの子は何者なのか? 三人の男と一人の女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく、この数奇なる愛の軌跡。プロフェッショナルの仕事であると選考委員たちを唸らせた第一五七回直木賞受賞作、待望の文庫化。(特別寄稿:伊坂幸太郎)
数多くの傑作を残した宮沢賢治とその父・政次郎との 第158回直木賞受賞作。 待望の映画化! 2023年5月5日(金・祝)全国公開!! 宮沢政次郎の長男・賢治は、家業の質屋を継ぎたがらず、適当な理由をつけては金の無心をするような困った息子。 政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。 やがて妹・トシの病気を機に、賢治は物語を書き始めるがーー。 後に国民作家となる天才・宮沢賢治の生涯を、父の視点から活写する。 究極の親子愛を描いた傑作。
第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 あの日以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 芥川賞受賞作に、単行本未収録の廃屋の眺め(文學界2017年9月号・受賞後第一作)、陶片(文學界2019年1月号)を併録。 綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。
豪雨が続いて百年に一度の洪水がもたらしたものは、圧倒的な“泥”だった。南インド、チェンナイで若い IT 技術者達に日本語を教える私は、川の向こうの会社を目指し、見物人をかきわけ、橋を渡り始める。百年の泥はありとあらゆるものを呑み込んでいた。ウイスキーボトル、人魚のミイラ、大阪万博記念コイン、そして哀しみさえも……。新潮新人賞、芥川賞の二冠に輝いた話題沸騰の問題作。
24歳の秋、故郷を飛び出した桃子さん。住み込みのバイト、周造との出会いと結婚、2児を必死に育てた日々、そして夫の突然の死ー。70代、いまや独り茶を啜る桃子さんに、突然ふるさとの懐かしい言葉で、内なる声たちがジャズセッションのように湧いてくる。おらはちゃんとに生ぎだべか?悲しみの果て、辿り着いた自由と賑やかな孤独。すべての人の生きる意味を問う感動のベストセラー。
富山は、あるトラブルがきっかけで、大学を休学し、実家を離れ、期間限定の自立を始めた。人に言えない葛藤、臆病な自分……。相変わらず人間関係は苦手なまま。深夜ラジオのリスナーであることも変わらない。だが、コンビニでバイトをするうち、チャラい見掛けによらずバイトリーダーとして仕事をこなす鹿沢や、同じラジオ番組のヘビーリスナーらしい女子高生の佐古田と親しくなり、世界が鮮やかな色を取り戻していく。──しゃべれども しゃべれども黄色い目の魚一瞬の風になれなどの代表作をもつ著者が描く、青春小説の傑作! 第30回山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化!
児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中央新聞社会部を追われ、支局に飛ばされた関口豪太郎。あれから7年。埼玉東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念がよぎる。終わったはずの事件が再び動き出す。<第38回吉川英治文学新人賞受賞作> から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念が す。<第38回吉川英治文学新人賞受賞作>
進化を、科学を、未来をーー人間を疑え!百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない超常現象を通して、人間は再発見されたーー。デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。 吉川英治文学新人賞受賞作。 進化を、科学を、未来をーー人間を疑え! 百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない超常現象を通して、人間は再発見されたーー。 デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。
出版社:新潮社
孤独と他者への距離を鋭く見据えた物語。異なる人生が交差する瞬間を通じて、心の硬さと柔らかさを描き分けることで、人間の感情の多層性を探る短編集的構成の長篇。
出版社:中央公論新社
都会の喧騒のなかで孤立する人物たちの生活を細やかに描く群像劇。個々の「部屋」を象徴的に据え、他者との微妙な距離感と孤独をテーマにした物語集。
出版社:文藝春秋
高校卒業後ピアノ調律師を目指す青年の成長譚。音と静寂、職人としての誇りを通じて内面が成熟していく過程が、美しい描写で綴られる。調律という職業の奥深さと人間の感性が重層的に描かれる。
店主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…海の見える理髪店。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…いつか来た道。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族小説集。直木賞受賞作。
世界累計300万部超! NHKおはよう日本が世界の熱狂を紹介。 朝井リョウ氏、柚木麻子氏も絶賛。 現代の実存を軽やかに問う、第155回芥川賞受賞作。 36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。 日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、 店員でいるときのみ世界の歯車になれるーー。 お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。 ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。 46の国と地域で翻訳(2026年3月現在)。 米国ニューヨーカー誌のベストブック2018に選ばれるなど、世界各国で読まれている話題作。
十代の終わり、遠く見知らぬ土地での、痛切でかけがえのない経験ーー。19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いたその先はと呼ばれ、俳優や脚本家を目指す若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、との軋轢、そして地元の女性と同期との間で揺れ動く思い。気鋭作家が自らの原点と初めて向き合い、記憶の痛みに貫かれながら綴った渾身作!
太平洋を望む美しい景観の港町・鼻崎町。事故が原因で車椅子生活を送る小学生・久美香と、彼女を広告塔に支援団体を立ち上げる大人たち。善意が人間関係を歪める緊迫の心理ミステリ。(解説/原田ひ香)
同級生の殺人容疑で逮捕された14歳の息子。だが弁護士に何も話さない。真相は。親子は少年審判の日を迎える。吉川文学新人賞受賞作 思わず唸った。 薬丸岳という小説家の力量と才能に頭が下がった。 より道のないまっすぐな物語は、最後まで密度を失わず、 重く暗い話でありながら、目をそらすことを許さない。 名状しがたい感動を私は味わった。 読者それぞれがつけられない結末を共有できる。 胸が痛くなるような心地でハラハラしながら読んだ。
出版社:朝日新聞出版
日常の細やかな心象をモチーフに、移ろいゆく人間関係と時間の痕跡を繊細に描き出す長編小説。感情と景色が静かに融合し、人生の機微を象徴的なイメージに託して紡ぐ。
出版社:KADOKAWA
未知の疫病が蔓延する世界で、“治癒者”と呼ばれる術を持つ者と、その治療を受けた者たちの運命が交錯する。戦争と病、種族間の衝突を背景に、人間の尊厳と希望が描かれる壮大なファンタジー。
都市と地方が共存共栄する都市創生と地方創生を考察。 第1章 大都市圏の再編と創生ーーコロナ禍を経ての展望 第2章 近代東京都心部における都市交通の形成 第3章 アメリカ都市政策の潮流変化と交通財政 第4章 全国の事例から見る地方創生のヒント 第5章 北海道室蘭地域のイノベーション促進戦略ーー産業支援機関の役割を中心に
女が映し出す男の無様、そして、真価ー。太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようかー。時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。選考会時に圧倒的支持で直木賞受賞。
じいちゃんなんて早う死んだらよか。ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のため面接に臨む日々。人生を再構築中の青年は、祖父との共生を通して次第に変化してゆくー。瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、老人の狡猾さも描き切った、第153回芥川賞受賞作。
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。 ドラマ化・映画化もされた、第153回芥川賞受賞作。 師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。 神谷はまったく独自のお笑い哲学を抱いていて、 日常においても、人とは違う行動や思考を繰り広げる類稀な男だった。 そんな天才肌の神谷を徳永は師として仰ぐ。 二人とも貧しいながらもまっさらな生を生きていた。 徳永はすこしずつ売れるようになっていき、やがて、ある決断をすることになるーー。 受賞記念エッセイ芥川龍之介への手紙を併録。
とても大きな小説を読んだ 津村記久子氏(解説) 通夜のために集まった親族たちの一夜のふるまい、思い、記憶ーー傑作の誉れ高い第154回芥川賞受賞作。滝口悠生の代表作を文庫化! 単行本未収録作夜曲収録。
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。俺は家では何も考えたくない男だ。と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。夫婦という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。 専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる夫婦という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作で芥川賞受賞!他に藁の夫など短編3篇を収録。
商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。一方、翔子も実家に問題を抱えー。友情とは何かを描いた問題作。第28回山本周五郎賞&第3回高校生直木賞を受賞!
親子三代で菓子を商う南星屋は、 売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は本家筋の構成員を病院送りにしてしまう。組同士の込みあいをふたりは切り抜けられるのか
姉・貴子は、矢田のおばちゃんの遺言を受け取り、海外放浪の旅に出る。一方、公私ともに順風満帆だった歩は、三十歳を過ぎ、あることを機に屈託を抱えていく。 そんな時、ある芸人の取材で、思わぬ人物と再会する。懐かしい人物との旧交を温めた歩は、彼の来し方を聞いた。 ある日放浪を続ける姉から一通のメールが届く。ついに帰国するという。しかもビッグニュースを伴って。歩と母の前に現れた姉は美しかった。反対に、歩にはよくないことが起こり続ける。大きなダメージを受けた歩だったが、衝動に駆られ、ある行動を起こすことになる。 解説は又吉直樹さんが執筆くださいました。
書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化! 東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。彼女は隣に建つ水色の家に、異様な関心を示していた。街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとはーー第151回芥川賞に輝く表題作に、糸見えない出かける準備の三篇を加え、作家の揺るぎない才能を示した小説集。 二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(春の庭) 通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(糸) アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(見えない) 電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。
三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前のみっちゃん姉の言葉だった──。痛みと優しさに満ちた母と子の物語。 表題作他四作を収録。芥川賞受賞作。 三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。
時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊ーー。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開くーー。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
明治維新から第二次世界大戦、バブル、地下鉄サリン事件、福島原発事故まで、帝都トーキョウに暗躍した謎の男の無責任一代記! 滅亡する東京を予言する一気読み必至の長編小説。(解説/原武史)
もういいんです人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる死人宿、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の柘榴、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作万灯他、夜警関守の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
北国のラブホテルの一室で、心をも裸にして生々しく抱き合う男と女。互いの孤独を重ねる中に見えてくるそれぞれの人生の大切な断片を切り取る。第149回直木賞受賞作の文庫化。(解説/川本三郎)
樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く直木賞受賞作。
昭和三十三年滋賀県に生まれた柏木イク。気難しい父親と、娘が犬に咬まれたのを笑う母親と暮らしたのは、水道も便所もない家。理不尽な毎日だったけど、傍らには時に猫が、いつも犬が、いてくれた。平凡なイクの歳月を通し見える、高度経済成長期の日本。その翳り。犬を撫でるように、猫の足音のように、濃やかで尊い日々の幸せを描く、直木賞受賞作。
あるとき、母が死んだ。そして父は、あなたに再婚を申し出た。あなたはコンタクトレンズで目に傷をつくり訪れた眼科で父と出会ったのだ。わたしはあなたの目をこじあけてーー三歳児のわたしが、父、喪った母、父の再婚相手をとりまく不穏な関係を語る。母はなぜ死に、継母はどういった運命を辿るのか……。独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させる恐怖作(ホラー)。芥川賞受賞。
本書は、まぎらわしい・意外と知らないを正しく理解して申請するために、不動産登記(表示・権利)の判断に迷う事例から、押さえておくべきものを選定したものです。 設例の結論を簡潔に示し、注意すべき落とし穴と適正な取扱いを解説しています。
すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社国岡商店の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 第二の敗戦を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
あのとき、ふたりが世界のすべてになったーー。 ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作愛の夢とか。別れた恋人との約束の植物園に向かう日曜日はどこへ他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。 収録作:アイスクリーム熱/愛の夢とか/いちご畑が永遠につづいてゆくのだから/日曜日はどこへ/三月の毛糸/お花畑自身/十三月怪談 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 アイスクリーム熱、映画化決定! 吉岡里帆、モトローラ世里奈、詩羽、松本まりか
京の老舗鞠工房をリストラされた五助だが、駿河の国主・今川氏真の下で鞠括りの職を得た。 氏真の類い稀な蹴鞠の才能を目撃し、鞠職人として感動する。しかし時代は戦国の世でーー!?
直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集 どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからーー。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
敵対していた信長が没して不安から解放された等伯だが、その後も永徳を頭とする狩野派との対立、心の師・千利休の自刃、息子の死など、たび重なる悲劇に見舞われる。窮地に立たされながら、それでも己の道を信じた彼が、最後にたどりついた境地とはー。直木賞受賞、長谷川等伯の生涯を骨太に描いた傑作長編。
子供の頃、家族で行った海に臨むホテル。そこは母親にとって、一族の栄華を象徴する特別な場所だった。今も過去を忘れようとしない残酷な母と弟から逃れ、太一と結婚した奈津子は、久々に思い出の地を訪ねてみる…。車椅子の夫とめぐる“失われた時”への旅を通して、家族の歴史を生き直す奈津子を描く、感動の芥川賞受賞作。
玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書大渡海を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていくー。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして大渡海は完成するのかー。
直木賞受賞作、待望の文庫化! あの直木賞受賞作が、待望の文庫化! 研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。 圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。 特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていたーー。 男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編! 第145回直木賞受賞作。
豊後羽根藩の檀野庄三郎は不始末を犯し、家老により、切腹と引き替えに向山村に幽閉中の元郡奉行戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室との密通の廉で家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。編纂補助と監視、密通事件の真相探求が課された庄三郎。だが、秋谷の清廉さに触るうち、無実を信じるようになり…。凛烈たる覚悟と矜持を描く感涙の時代小説!(平成23年度下半期第146回直木賞受賞作)
無活用ラテン語で書かれた小説猫の下で読むに限るで道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。芥川賞受賞作
セックスのときに女を殴る父と右手が義手の母。自分は父とは違うと思えば思うほど、遠馬は血のしがらみに翻弄されて──。映画化が決定した、第146回芥川賞受賞作。瀬戸内寂聴氏との対談を新たに収録。
444万部!新章始動から3年ぶりの第2弾 シリーズ累計444万部! 執事探偵×令嬢刑事コンビの国民的ユーモアミステリ、 新章スタートから3年ぶりの第2弾! 自宅にて、絞殺死体で発見された資産家の老人。 現場にはなぜ割れた大皿が散らばっていたのか。 アイドルの撮影中にスタジオで芸能事務所の社長が殺された。 ダイイング・メッセージらしき血文字”アキラ”の意味は? 別荘のある島での婚約披露パーティに招かれた麗子と影山。 しかし、主役がビーチパラソルの下で死体となって見つかる。 多摩川の河川敷で全裸の変死体が発見された。 犯人はなぜ被害者の衣服を奪ったのか。 ワンルームで見つかった若い女の首吊り死体。
海松を超えた、究極の半島物語。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作海松を超えた、究極の半島物語。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作! その春、私は半島に来た。森と海のそば、美しい休暇を過ごすつもりでーー。たったひとりで、もう一度、人生を始めるためにーー。川端賞受賞の名作海松(みる)を超えた、究極の半島小説 顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。
僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようかーー。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。代理で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!
今はない家と人々の、忘れがたい日々の物語。映画化決定 昭和初期東京、戦争の影濃くなる中での家庭の風景や人々の心情。ある女中回想録に秘めた思いと意外な結末が胸を衝く、直木賞受賞作。
明治10年、根津遊郭。御家人の次男坊だった定九郎は、過去を隠し仲見世の立番として働いていた。花魁や遊郭に絡む男たち。新時代に取り残された人々の挫折と屈託、夢を描く、第144回直木賞受賞作。
あの夏、海辺の町で少年は大人になる涙を知った 孤独な子ども達が始めた願い事遊びはやがて切実な思いを帯びた儀式めいたものにーー深い余韻が残る少年小説の傑作。直木賞受賞。
ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、みか子はスピーチコンテストの課題アンネの日記のドイツ語のテキストの暗記に懸命になる。そこには、少女時代に読んだときは気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。やがて噂の真相も明らかとなり……。悲劇の少女アンネ・フランクと現代女性の奇跡の邂逅を描く、感動の芥川賞受賞作。
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった……。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。境がゆらぐ現在、過去、夢。記憶は縺れ、時間は混ざり、言葉は解けていくーー。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。
劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日はーー。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた落ちぶれて袖に涙のふりかかるを併録。解説・石原慎太郎。
改暦の総大将に選ばれた渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と天との壮絶な勝負が幕開く。渋川春海の20年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!
一子相伝の継承者に選ばれた菖蒲家四姉妹の末娘は生き地獄さながらの凄惨な修行の末、類い稀な秘術の能力を開花させてしまう。その果てに起きた血の日曜日事件とはーー。次女によって語られる、一族の壮大な罪と償いの歴史。滔々たる時空をことごとく描き出す、21世紀の大小説がここに。解説・筒井康隆。
昭和十一年二月、運命の偶然が導く切なくて劇的な物語の幕切れ鷺と雪ほか、華族主人の失踪の謎を解く不在の父、補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る獅子と地下鉄の三篇を収録した、昭和初期の上流階級を描くミステリ“ベッキーさん”シリーズ最終巻。第141回直木賞受賞作。
十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道の各地を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。
ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。様々な愛のかたちとその本質を描いて第一四二回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。
結婚すれば世の中のすべてが違って見えるかといえば、やはりそんなことはなかったのだーー。互いに二十代の長く続いた恋愛に敗れたあとで付き合いはじめ、三十を過ぎて結婚した男女。不安定で茫漠とした新婚生活を経て、あるときを境に十一年、妻は口を利かないままになる。遠く隔たったままの二人に歳月は容赦なく押し寄せた……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。解説・蓮實重彦
愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が級友犯人犯人の家族と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞した国民的ベストセラー。
この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?。静人の問いかけは彼を巡る人々を変えていく。家族との確執、死別の葛藤、自らを縛りつける“亡霊”との対決、思いがけぬ愛。そして死の枕辺で、新たな命が…。静かな感動が心に満ちるラスト。
女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の茶の道を異界へと導いた、若き日の恋とは…。侘び茶を完成させ、茶聖と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。
29歳、社会人8年目、年収163万円。 こんな生き方、働き方もある。 読むと心が軽くなる、“脱力系”お仕事小説。 Xで話題沸騰⇒300万インプレッション超え! ・発想が面白すぎる @888p_n_m888 内容紹介でこんなにもなるほどと考えさせられた作品は初めて。 @sayu_furuya 注目のあらすじはこちら! 29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、時間を金で売る虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を世界一周という行為にも換金できると気付くがーー。
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていないー。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震えるー。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。
落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。
第137回芥川賞 第50回群像新人文学賞 W受賞! 選考委員各氏激賞! 村上龍氏以来、30年ぶりの快挙! 驚異の新人出現! 吃音(きつおん)による疎外感から凡庸な言葉への嫌悪をつのらせ、孤独な風狂の末に行方をくらました若き叔父。彼にとって真に生きるとはアサッテを生きることだった。世の通念から身をかわし続けた叔父の哲学的奇行の謎を解き明かすため、私は小説の筆を執るが……。 1度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。
娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった、芥川賞受賞作。
オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、2年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る! 努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない。まずは南関東へーー。新二と連の第二シーズンが始まる。
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.-ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。
才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。
二十歳の知寿が居候することになったのは、七十一歳の吟子さんの家。奇妙な同居生活の中、知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋にあてられ、成長していく。選考委員絶賛の第百三十六回芥川賞受賞作!
オカン。ボクの一番大切な人。ボクのために自分の人生を生きた人ー。四歳のときにオトンと別居、筑豊の小さな炭鉱町で、ボクとオカンは一緒に暮らした。やがてボクは上京し、東京でボロボロの日々。還暦を過ぎたオカンは、ひとりガンと闘っていた。東京でまた一緒に住もうか?。ボクが一番恐れていたことが、ぐるぐる近づいて来るー。大切な人との記憶、喪失の悲しみを綴った傑作。
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがないーミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。
竜崎伸也vs大物政治家 暗夜の死体とスキャンダルを巡る緊迫の攻防戦! 累計370万部突破の大ヒットシリーズ最新作! 鎌倉署管内にて、不審火が発生。燃えたのは女性スキャンダルで週刊誌に追われている大物政治家宅だった。竜崎のライバル・八島と所轄による権力者への忖度が通常捜査を妨げる中、殺人事件へと発展し……。社会派ユーチューバーが絡む難事件に、竜崎が挑む!
まだ幼い妹がある日突然、母のお腹にいた時のことを話し始める。それ以降、保育園をぬけだし、電車でどこかへ行こうとしたり、習ったことの無い漢字を書いたり。そして、自分は誰かの生まれ変わりだと言い出した…(表題作花まんま)。 鈴鹿央士 ファーストサマーウイカ 安藤玉恵 オール阪神 オール巨人 板橋駿谷 田村塁希 小野美音 南 琴奈 馬場園 梓 公式HP:https://hanamanma.com 私が書いた花まんまは八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化 の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った私は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。著者初の短篇蜘蛛の声を併録。
すべての働くひとに贈る、芥川賞受賞作。待望の映画化決定! キャスト:上地由真 彦坂啓介 波岡一喜 田中麗奈 横浜国際映画祭2026にて上演決定! 同期入社の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、彼の部屋にしのびこむ私。恋愛ではない男女の友情と信頼を描く芥川賞受賞の表題作沖で待つ他全3篇。
高校生活最後を飾るイベント歩行祭。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
人はなぜ人を殺すのかー。河内音頭のスタンダードナンバーにうたいつがれる、実際に起きた大量殺人事件河内十人斬りをモチーフに、永遠のテーマに迫る著者渾身の長編小説。第四十一回谷崎潤一郎賞受賞作。
高校生活最後を飾るイベント歩行祭。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。 切なさの分だけ家族はたしかにつながっていく。 佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が……。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!? 直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾!
秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編。
結婚する、しない。 子どもがいる。いない。 なぜ分かりあえなくなるんだろう。 異例のロングセラーを記録中の、角田光代の直木賞受賞作。 35歳の専業主婦・小夜子は、同い年のベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、 ハウスクリーニングの仕事を始めるが……。 多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く感動の傑作長編にして、第132回直木賞受賞作。 夏川結衣、財前直見、堺雅人、根岸季衣、木村多江、香川照之、国分佐智子、多部未華子ら豪華スタッフが共演したWOWOWのドラマは、愛を乞うひとの平山秀幸が監督、平成18年度芸術祭テレビ部門優秀賞を受賞した。
多くの人は、親が倒れてから巻き込まれるように介護の道に入っていきます。 しかし、その時には自分は40~50代の働き盛りで、 仕事と子育てと介護で身動きがとれなくなってしまうこともしばしば…。 本書では仕事も自分の人生も諦めない介護を目指すために、 さまざまなインタビューを行い、制度をわかりやすく解説しました。 経験者へのケース別インタビューを通して、
類まれな歌手・横井久美子は、これまでの歌手生活、歌手としてのたたかいを通して、間違いなくグランドフィナーレを迎えた(2021年1月14日死去)。その横井久美子は、実は、世界中の人びとがみんな大団円(グランドフィナーレ)を迎えて拍手で送られますように、との念いを込めて常に歌い続けた歌手でもある。この本の全ページには、その熱い願いや心情のエキス、粒子が満ち充ちている。 しかも、横井久美子はコマーシャリズムに乗ったいわゆる歌手 横井久美子ではなく、あのベトナム戦争時の少女にまで生きる勇気を与えた横井久美子 歌手なのだ。
ぼくの記憶は80分しかもたない博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていたー記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。
小さなレコード店や製函工場で、時代の波に取り残されてなお、使い慣れた旧式の道具たちと血を通わすようにして生きる雪沼の人々。廃業の日、無人のボウリング場にひょっこり現れたカップルに、最後のゲームをプレゼントしようと思い立つ店主を描く佳品スタンス・ドットをはじめ、山あいの寂びた町の日々の移ろいのなかに、それぞれの人生の甘苦を映しだす川端賞・谷崎賞受賞の傑作連作小説。
秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編。
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり一緒に本屋を襲わないかと持ちかけてきた。彼の標的はーーたった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。解説=松浦正人 *第2位このミステリーがすごい! 2005年版国内編ベスト10 *第4位週刊文春2004年ミステリーベスト10/国内部門 *映画アヒルと鴨のコインロッカー(2007年/中村義洋監督)原作
俺たちの呪われた運命に、ケリをつけてやるー。日本政府に対するケイたちの痛快な復讐劇が始まった!外務省襲撃を目撃した記者、貴子は、報道者としてのモラルと、彼らの計画への共感との板ばさみに苦悩。一方ケイと松尾は、移民政策の当時の責任者を人質にし、政府にある要求をつきつける。痛恨の歴史を、スピード感と熱気溢れる極上のドラマに昇華させた、史上初三冠受賞の名作。
禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えてーー。愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、家という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。
私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだからー。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴ったじゃこじゃこのビスケットなど全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる…。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。
文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作らは、ある伝説の真偽を確かめるべく隠居老人・一白翁を訪ねた。翁は静かに、今は亡き者どもの話を語り始める。第130回直木賞受賞作。妖怪時代小説の金字塔!
蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅せられたルイは舌ピアスを入れ身体改造にのめり込む。恋人アマとサディスティックな刺青師シバさんとの間で揺れる心はやがて…。第27回すばる文学賞、第130回芥川賞W受賞作。(解説/村上 龍)
ハツとにな川はクラスの余り者同士。ある日ハツは、オリチャンというモデルのファンである彼の部屋に招待されるが……文学史上の事件となった百二十七万部のベストセラー、史上最年少十九歳での芥川賞受賞作。
戦慄と陶酔の夢十三夜。旅人のあなたを待ち受ける奇妙な乗客と残酷な歓待。宙返りする言葉を武器にして、あなたは国境を越えてゆけるか。-稀代の物語作者による傑作長篇小説!半醒半睡の旅物語。
安政七年三月三日、井伊の密偵・可寿江は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつての恋人でもあった直弼に通報しようとするが……。長い一日、最期の一日、決定的な一日……。桜田門外の変箕輪心中など実際の事件を背景に、江戸市中で懸命に生きる人々の、人生を揺さぶった運命の一日を描く、連作時代小説集。 再刊にあたり、赤穂浪士討ち入りの日の上杉家を題材にした書き下ろしの一篇を収録する。 第24回吉川英治文学新人賞受賞作。 目次……立つ鳥蛙(かわず)小の虫釜中(ふちゅう)の魚首鼠両端(しゅそりょうたん)
生きていること いま生きていること……とさまざまな人生の瞬間の情景を連ねる、谷川俊太郎の詩生きるが初めて絵本になりました。小学生のきょうだいと家族がすごすある夏の一日を描き、私たちが生きるいまをとらえます。足元のアリをじっと見つめること、気ままに絵を描くこと、夕暮れの町で母と買い物をすること……。子どもたちがすごす何気ない日常のなかにこそ、生きていることのすべてがある、その事実がたちあがってきます。
公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。日比谷公園を舞台に、男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。
都内の2LDKに暮らす男女四人の若者達。本音を明かさず、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め……。
かつての恋人から19年ぶりにかかってきた一本の電話。アダルト雑誌の編集長を務める山崎がこれまでに出会い、印象的な言葉を残して去っていった人々を追想しながら、優しさの限りない力を描いた青春小説。
希望を胸に身一つで上方から江戸へ下った豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉を支えるおふみ。やがて夫婦となった二人は、京と江戸との味覚の違いに悩みながらもやっと表通りに店を構える。彼らを引き継いだ三人の子らの有為転変を、親子二代にわたって描いた第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。
等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。 女であることを最大の武器に生きるるり子と、恋にのめりこむことが怖い萌。対照的なふたりの生き方を通して模索する女の幸せ探し、新しい家族のあり方を描く。(解説・江國香織)
私、結婚するかもしれないからすごいね。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作サイドカーに犬を収録。
駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。
父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うがーー。 高橋克彦氏激賞! これは奇跡的傑作である。犯罪被害者の深き闇を描く衝撃のミステリー。吉川英治文学新人賞受賞作。
トシオ・マナハン、14歳。セブ島で祖父とふたりで闘鶏用の軍鶏を育てている。ゲリラのホセ・マンガハスが住む虹の谷への道を知っていたことから暗殺、誘拐の硝煙の宴に巻きこまれていく。少年の夢。怒りと誇り。愛する者との別れ。慟哭の叫びを胸奥に沈め、少年は男へと脱皮して行く。第三世界の片隅から世界を睥睨する冒険小説、感動の巨編。直木賞受賞作。
僕は在日韓国人に国籍を変え、都内の男子高に入学した。広い世界へと飛び込む選択をしたのだが、それはなかなか厳しい選択でもあった。ある日僕は、友人の誕生パーティーで一人の女の子に出会ってーー。
どうして私はこんなにひねくれているんだろうー。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく社会復帰に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。
このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞーー。家族小説の最高峰。直木賞受賞作! 38歳、いつの間にか昔や若い頃といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、離婚してもいいけど、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。また、がんばってみるかーー、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。
絵描きの俺の趣味はランパブ通い。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している吉原に借りにいってしまうが…。現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた芥川賞受賞の表題作と他一篇を収録。
闇は深く、不吉な雨はやまず……芥川賞受賞作! 希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。路地裏の古アパートに居座る奇妙な男と酒を飲めば、喪失感に満ちた過去へと意識は引き戻される。死んでしまった同棲相手や裏切られた友人。陰々滅々とした雨の向こう側に、生の熾火(おきび)は見えるか。第123回芥川賞受賞作。受賞後第1作ひたひたとを同時収録。
お聖水ってつまり、お〇っこだよね...!? 学校でのおもらしが原因で不登校になった鈴奈は、 漫画家である姉の助けもあって、アシスタントをしながら暮らしていた。 徹夜が続いたある日、鈴奈は階段を足を踏み外し転落……。 死んだと思ったら、姉が連載中の漫画聖女のお聖水が万能薬で異世界無双の
堀江敏幸の文章は、いろっぽいのだ。--川上弘美(解説より) なんとなくという感覚に支えられた違和と理解。そんな人とのつながりはあるのだろうか。 フランス滞在中、旧友ヤンを田舎に訪ねた私が出会ったのは、友につらなるユダヤ人の歴史と経験、そして家主の女性と目の見えない幼い息子だった。 芥川賞受賞の表題作をはじめ、人生の真実を静かに照らしだす作品集。 ヤンはそこでふいに立ち上がってレンジのほうへいき、やかんを火にかけ、そのままなにも言わず2階にあがって、大きな写真立てを持って下りてきた。私にそれを差し出し、もういちどレンジに戻って火を調節しながら、珈琲か紅茶かと訊いてくる。(熊の敷石より)
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。
思う人と思う通りに生きられたら、これ以上のことはないのにねえ──。深川を舞台に、市井の人々の胸にひそむ切ない想いを描く、珠玉の短篇集。吉川英治文学新人賞受賞作。 (解説・阿刀田 高)
1498年フランス。国王が王妃に対して離婚裁判を起こした。田舎弁護士フランソワは、その不正な裁判に義憤にかられ、孤立無援の王妃の弁護を引き受ける……。第121回直木賞受賞作。 (解説/池上冬樹)
カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。罪悪感に苦しむカスミ。実は、夫の友人・石山に招かれた別荘で、カスミと石山は家族の目を盗み、逢引きを重ねていたのだ。カスミは一人、娘を探し続ける。4年後、元刑事の内海が再捜査を申し出るまでは。話題の直木賞受賞作ついに文庫化。
ーーどうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。水無月の堅く閉ざされた心に、強引に踏み込んできた小説家の創路。調子がよくて甘ったれ、依存たっぷりの創路を前に、水無月の内側からある感情が湧き上がってくるーー。世界の一部にすぎないはずの恋が、私のすべてをしばりつけるのはどうして。恋愛感情の極限を抉り出す、戦慄のベストセラー小説。直木賞作家の原点。
私はアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。うちを連れて逃げてッ-。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。
事件はなぜ起こったか。殺されたのは誰で、いったい誰が殺人者であったのかー。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。
錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光…。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作日蝕。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く一月物語。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し……。実在の父親をモデルに、業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝撃のベストセラー。
保険会社に勤める異なるタイプの女性たち。結婚、仕事、生き方に迷い、挫折を経験しながらも、たくましく幸せを求めてゆく。現代OL道を生き生きと描く、第117回直木賞受賞作。(解説・田辺聖子)
娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けたー。心を揺さぶる“やさしい奇蹟"の物語…表題作はじめ、ラブ・レター角筈にてなど8編収録。第117回直木賞受賞作。(解説・北上次郎)
観察力、表現力に定評のある福田雅子氏の第2五行歌集。 切り絵、剪紙、篆刻作家の羊大(ようだい)氏による、美しい切り絵が装丁、章扉に使われていて華を添える。 章扉裏面には、嶋宮香楓の手による歌の揮毫がある。 彼女の歌のよさは、その目のよさである。水滴は同じ世界を映すが、歌人の目はそれぞれ違ったものを映し出す。彼女の歌には、はっとさせられることが多いのは、予想もしないものを映し出すからである。(草壁焔太)
アジア屈指の歓楽街・新宿歌舞伎町の中国人黒社会を器用に生き抜く劉健一。だが、上海マフィアのボスの片腕を殺し逃亡していたかつての相棒・呉富春が町に戻り、事態は変わったーー。衝撃のデビュー作!!
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていたー。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。
藪で、蛇を踏んだ。踏まれたので仕方ありませんと声がして、蛇は女になった。あなたのお母さんよと、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作蛇を踏む。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く消える。ほか惜夜記を収録。
廃航せまる青函連絡船の客室係を辞め、函館で刑務所看守の職を得た私の前に、あいつは現れた。少年の日、優等生の仮面の下で、残酷に私を苦しめ続けたあいつが。傷害罪で銀行員の将来を棒にふった受刑者となって。そして今、監視する私と監視されるあいつは、船舶訓練の実習に出るところだ。光を食べて黒々とうねる、生命体のような海へ…。海峡に揺らめく人生の暗流。芥川賞受賞。
ー人の営みの豊かさは全てその人の思いの内にあるー 33歳で夫と死別し子供三人を抱えて生きてきた母の介護、幼いころから苦楽を共にしビジネスの世界で成功をおさめた弟との突然の別れ、家庭裁判所調査官から簡易裁判所判事に転官して各地を転勤てきた自らの人生ーー年齢を重ねて振り返ったときに初めて見えるその風景を、ときに自ら体験した回顧録として、ときに見聞したことをもとにしたフィクションとして、綴りまとめた人生記。 生きる時間と共に積み重ねられていく家族の情景を、温かくやわらかい筆致で綴った本書。その中には貴方の家族の情景もあるかも知れません。
日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間!荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失で亡くした友の婚約者を救うためにー。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。吉川英治文学新人賞受賞。
永遠の野球少年の胸に染み入る直木賞短篇集 思春期の頃、年齢の近い叔母に密かに寄せた熱い恋心。亡くして初めて知った父の意外な一面。トレードに出されたベテラン・プロ野球選手とリストラ進行中の会社に勤める中堅社員という、岐路に立たされた男2人の友情。輝かしい成績を残しながらも突如プロ球界を去った名投手の秘密……。 野球をモチーフに、野球少年なら誰しもが通過するホロ苦い挫折、郷愁などをさわやかに描いた短篇集(野球描写がない作品を1編収録)。胸に染み入る第113回直木賞受賞作。
乱歩賞&直木賞ダブル受賞、不朽の傑作ミステリ! 爆弾テロ事件の容疑者となったバーテンダーが、過去と対峙しながら事件の真相に迫る。逢坂剛・黒川博行両氏による追悼対談を収録。
花も鳥も風も月もー森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために…。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩な音色で唱いあげる交響絵巻。谷崎潤一郎賞受賞。
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
戦争は、人々の人生をどのように変えてしまったのか。帰るべき家を失くした帰還兵。ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工。戦後できた遊園地で働く、父が戦死し、その後母が再婚した息子…。戦争に巻き込まれた市井の人々により語られる戦中、そして戦後。時代が移り変わっても、風化させずに語り継ぐべき反戦のこころ。戦争文学を次の世代へつなぐ記念碑的小説集。第43回大佛次郎賞受賞作。
室井光広とは誰だったのか? 誰でもない。宇宙を吹き渡るコトバの元気(げんき)、天籟(てんらい)だった。 こんな凄い小説が書かれていたことに驚きました。 生きる悲しみが言葉の奥底に繋がっていることを知りました。 貪るように読みました。 カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という辺境から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生するーー。 表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によってはたしてこれは小説なのか?と賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。
マークスさ。先生たちの大事なマ、ア、ク、ス!。あの日、彼の心に一粒の種が播かれた。それは運命の名を得、枝を茂らせてゆく。南アルプスで発見された白骨死体。三年後に東京で発生した、アウトローと検事の連続殺人。“殺せ、殺せ”。都会の片隅で恋人と暮らす青年の裡には、もうひとりの男が潜んでいた。警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補の眼前に立ちふさがる、黒一色の山。
新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちの元に、江戸名所百景の大仕事が持ち込まれる。彼女は想いを寄せる彫師と生写しに出かけたいが、その男には女房と子供がいた。悩んだ末においちがとった行動はーー(表題作恋忘れ草)。 江戸の町で恋と仕事に生きた6人の女たちの哀歓をあたたかく描き、第109回直木賞を受賞した連作短篇集。
手軽でお洒落。若者たちの間で流行っている薬アイスキャンディの正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島は、藤野組の角を炙り出す。さらに麻薬取 締官の塔下から、地方財閥・香川家の関わりを知らされる。薬の独占を狙う角、香川昇・進兄弟の野望……。薬の利権を巡る争いは、鮫島の恋人・晶まで巻き込んだ。鮫島は晶を救えるか!? 直木賞受賞の感動巨編!
南洋の島国ナビダード民主共和国。日本とのパイプを背景に大統領に上りつめ、政敵もないマシアス・ギリはすべてを掌中に収めたかにみえた。日本からの慰霊団47人を乗せたバスが忽然と消えるまでは…。善良な島民たちの間でとびかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、巫女の霊力。それらを超える大きな何かが大統領を呑み込む。豊かな物語空間を紡ぎだす傑作長編。谷崎潤一郎賞受賞作。
短編の名手のワザが冴える直木賞受賞作。 永年率いた社会人野球の名門チームからの引退を、自ら育てた後輩に告げられた老監督、亡くなった夫の好きだった野球を始めた息子がベンチで試合を見つめる姿に複雑な思いを抱く若い母親、母と自分を捨てて家を出た父親との再会を躊躇(ためら)う男……。誰にも訪れる切ない瞬間によぎる思いを描いた、直木賞受賞作。 伊集院さんの作品が語る野球の魅力に私は感動しています。プレーする人も、それを観る人も、ともにその喜びや感動を共有できる野球のすばらしさを、伊集院さんが作品を通して後々まで伝える伝道師となってください。--(長嶋茂雄)
本書はクレーン・デリッククレーン限定学科試験の受験対策本です。 本書は二部構成(前半が学科ごとの教本パート、後半に過去公表問題と解説パート)になっています。 教本パートでは、過去公表問題に関連する覚えるべき項目を、出題傾向から分析し、出題頻度の高い問題はマークを表記。要点をしっかり理解しましょう。 イメージしづらい専門用語もイラストや写真でわかりやすく解説。 テキスト内容は、過去に出題された問題を解くために特化したものであり、回り道をせず合格を目指せる一冊となっています。 過去公表問題の解説では、教本パートと紐付けし、苦手な項目にすぐアクセスできるようになっています。
多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が犬婿入りの話をしていたら本当に犬男の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作とペルソナの2編を収録。(講談社文庫) 多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が犬婿入りの話をしていたら本当に犬男の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作とペルソナの2編を収録。
どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。 この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。 ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、 ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、 飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。 劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家…… 尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る片葉の芦。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末送り提灯など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。宮部ワールド時代小説篇。
直木賞受賞! 永遠の青春小説! 完全オリジナル版! ベンチャーズの衝撃で世界が変わった。四国の田舎町の高校生たちが繰り広げるロックと友情、淡い恋と笑いに満ちた永遠の青春・音楽小説。受賞作の2倍=800枚を完全収録! ぼくは望まずにはいられませんでした。カットした部分だって、作者としては同じように(楽しみながらも)苦労して書いたもの、このまま人の目に触れることなく埋もれるのでは、不憫です。いつか、最初に書き上げたときの形で活字にできないものだろうかと、ぼくはずっと考えていたのでした。/そしてその希望がついにかなえられました。それが、この私家版・青春デンデケデケデケなのです。あとがきより
妻と病室の窓から眺めた満月、行方不明の弟を探しに漕ぎ出た海で見た無数のくらげ、高校生に成長した娘と再会して観た学生野球……せつなく心に残る光景と時間が清冽な文章で刻み込まれた小説集。表題作の他くらげ残塁桃の宵橋クレープと名篇を収録し、話題を呼んだ直木賞作家の、魂の記念碑。
黒石(ヘイシ)--それは、誇り高き殺人者のコードネーム。犯罪ネットワーク金石(ジンシ)の幹部が次々と殺害される。新宿署刑事・鮫島の捜査線上には、冷徹な利害関係や断ち切れない愛憎にもがく人々が。やがて、市井にまぎれ殺人を繰り返す謎の男の姿が浮かび上がるーー。新宿鮫シリーズ史上最悪の英雄と鮫島が衝突するとき、何が起こるのか? 全編緊張感! 待望の新宿鮫第12作
石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見るー。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの刺青の男にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。
ミステリ性が薄いだろうと見送ってきた読者はきっと後悔するーー新保博久(解説より) 紋章上絵師の章次は、元恋人の賢子から着物に蔭桔梗の紋を入れてほしいと、20年前と同じ依頼をされる。当時はある事情から下職に廻してしまったのだが、賢子は紋を見て怒り、それ以降疎遠になってしまったのだ。なぜ彼女は再び同じ依頼をしたのかという真相が語られる蔭桔梗。浸抜屋の利雄は、見知らぬ女性から母の形見という留袖のしみ抜きを依頼される。やがてふたりは恋仲になるが……。着物が殺人事件の謎を解く手掛かりになる竜田川など11 編。男女の恋愛模様に絡む謎と意外な結末を描く、傑作短編集。第103回直木賞受賞作。
姉が出産する病院は、神秘的な器具に満ちた不思議の国……妊娠をきっかけにゆらぐ現実を描く芥川賞受賞作。妊娠カレンダードミトリイ夕暮れの給食室と雨のプール(松村栄子)
昭和二十年、長崎の兵器工場で奪われた女学生達の青春。 やがて作られた報告書には不明の文字がならんでいた。 消えてしまった生の記録を日記・資料を基に綿密に綴った事実の被爆体験。 無数の嘆きと理不尽さ、その年の五月から原爆投下の八月九日までの日々を、 忘れないように、繰り返さないように、という鎮魂の願い。 林京子の原典でもある谷崎潤一郎小受賞作。他道を収録。
高円寺駅北口純情商店街。魚屋や呉服屋、金物店などが軒を並べる賑やかな通りである。正一少年は商店街の中でも削りがつをと言えば江州屋と評判をとる乾物屋の一人息子だったー。感受性豊かな一人の少年の瞳に映った父や母、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描きかつてあったかもしれない東京の佇まいを浮かび上がらせたハートウォーミングな物語。直木賞受賞作。
まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書界を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。
緊迫度MAXIMUM(マキシマム)!空前絶後の完全犯罪 末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞作!
六千万年以上も昔に絶滅したはずのプレシオザウルスの子を発見した洋助。奇跡の恐竜クーと少年とのきらめく至福の日々がはじまったが……。直木賞にかがやく、感動の冒険ファンタジー。
明治初年の東京を舞台に、最後の木版浮世絵師となった 小林清親の半生を描く傑作時代小説。 失われつつある江戸の情景への愛惜、一世を風靡した光線画の凋落。 時代の激動に呑み込まれて沈みゆく人々と自身へのやるせなさを噛みしめる清親の、優しさゆえの苦悩と新時代へかける想いが交錯する。 第100回直木賞受賞作。
高原の病院に様々な過去を背負った男たちの生と死が交錯してゆく。逝く者と残る者、心と心で交わす思いのたけのキャッチボール。--表題作の他、冬への順応長い影ワカサギを釣る収録。
在日朝鮮人として生れた著者の、37歳で夭逝した魂の記録。差別と偏見の苦しい青春時代を越えて、生国・日本と母国・韓国との狭間に、言葉を通してのアイデンティティを探し求めて、ひたすらに生きた短かい一生の鮮烈な作品群。芥川賞受賞の由熙、そして全作品を象徴するかのような処女作ナビ・タリョン(嘆きの蝶)、かずきめあにごぜを収録、人生の真実を表現。
ピントが外れている文章こそ正解! 問題を読まないでも答はわかる!? 国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。 パスティーシュ小説の嚆矢!丸谷才一氏激賞!講談社文庫創刊50周年新装版 清水義範の作品もまた、からかひ、批評し、祝祭する。入試問題出題者に対する慢罵と嘲笑は痛烈を極めて恐しいほどだ。いい加減きはまる入試問題に翻弄され、責めさいなまれてゐる少年少女に対する憐みを感じ取って、胸を打たれた。殊に結末がよく出来てゐる。
夢の木坂駅で乗り換えて西へ向かうと、サラリーマンの小畑重則が住み、東へ向かうと、文学賞を受賞して会社を辞めたばかりの大村常賢が住む。乗り換えないでそのまま行くと、専業作家・大村常昭が豪邸に住み、改札を出て路面電車に乗り、商店街を抜けると…。夢と虚構と現実を自在に流転し、一人の人間に与えられた、ありうベき幾つもの生を深層心理に遡って描く谷崎潤一郎賞受賞作。
吉原の遊女屋の娘ゆうは旅役者の福ノ助に再会し、一途な思いを募らせていく……。 江戸から明治にかけての吉原の盛衰や、芸能舞台の変遷を織り交ぜ、ひたむきな恋心を描いた第95回(1986年)直木賞受賞作
夢のアメリカに恋い焦がれた若者の青春小説 戦後10年目の1955年、日本人はまだ貧しい生活を送りながら、大国アメリカの豊かな物質文化や娯楽産業に憧れをいだいていた。 クリーネックス・ティシューや雑誌ヴォーグ、そしてハリウッド映画。そんな時代に、20代半ばの青年・重吉と演劇に没頭している椙枝は二人で愛をはぐくんでいた。一向に見えない自分たちの将来に悪戦苦闘しながらも愛と希望だけを頼りに生きる、往時の若者たちが瑞々しく描かれる。 全4編からなる第96回直木賞受賞作。
伝説の直木賞受賞作、新装版! 旅先で7年ぶりに再会した男女。冷めた大人の孤独と狡猾さが、お互いを探り合う会話に満ちた表題作を含むあざやかな傑作短編集
マニキュアで描いた花吹雪を窓ガラスに残し、部屋を出ていった一歳歳下の夫。それをきっかけに、しっかり者の妻に、初めて心を許せる女友達が出来たが(恋文)。二十一歳の若さで死んだ、姉の娘。幼い子供を抱いた五枚の写真に遺された、姪から叔父へのメッセージとは(私の叔父さん)。都会の片隅に暮す、大人の男女の様々な愛のかたちを描く五篇。直木賞受賞。恋文改題。
消え去った地名・貧しく愛しい日々。大阪市東成区片江ーこう呼ばれたどぶ川の流れる裏ぶれた町があった。猪飼野コリアンタウンと今里新地に隣接し、1970年代には地名もろとも往年の活気も消え去った。東欧研究者として知られる著者が、この町で過ごした子ども時代、そして両親を振り返る。自己と家族をテーマにした渾身の微視の史学。資料的に貴重な女学生のアルバムも併録。
大正九年の東京。祭りの夜に、カフェ入船亭の女給・照代が殺された。着物を血に染めて店を出てきたのは、同じ店で働く鈴子。鈴子の恋人・古宮は、彼女が殺したのかと考えるが。はかない男女の哀歓を描き、驚きの結末を迎える表題作ほか五篇。人の心の底知れぬ謎、深く秘められた情念から、予想をはるかに超える真実が立ち上がる。不朽の傑作ミステリー、待望の新装版。
都会人の日常生活の裏側を描いた名作短編集 自らを瑣事観察者と称する神吉拓郎が、都会の日常生活の裏側ーー私生活に潜むちょっとしたドラマを、歯切れのいい文章で活写した短編集。 ある真面目な銀行マンが、夜には別の一面を垣間見せるつぎの急行、平凡なサラリーマンが、会社のカネの横領を企む警戒水位、ダッチワイフに入れあげる初老の男に訪れた悲劇を描く小夜子、真面目だと思っていた家政婦が衝撃的な素顔を見せるもう一人の女など、17のエピソードを収録。 一つひとつの作品は短いが、それぞれに違った余韻をもたらす名作で、第90回直木賞に輝いた。
僕の先祖は播磨国の陰陽師の首領だった! 子供の頃からおばあちゃんから陰陽師の英才教育を受けてきた。 その教育は僕の頭の中に封印され、人生の危機のたびに顕現する。
大学教授を父親に持つ引っ込み思案の優等生・相馬涼子。アル中の母親をかかえ、早熟で、すでに女の倦怠感すら漂わせる不良少女・松尾勝美。17歳の2人の女子高生の出会いと別れを通して、初めて人生の闇に触れた少女の揺れ動く心を清冽に描く芥川賞受賞作。他に、母と娘の間に新しい信頼関係が育まれていく様を、娘の長すぎる髪を切るまでの日々のスケッチで綴る揺れる髪等2編。
やられたまま引きさがる男だとは思われたくない!同僚が殺人容疑の罠にハメられ、死んだ。大臣候補の黒い影。弁護士・谷の熱い血が目覚める。第4回吉川英治文学新人賞受賞作。(解説・内藤 陳)
骨董屋を舞台に愛と人情を描いた直木賞作品 銀色の日傘をくるくる回しながら子猫のアブサンと夏の盛りにふらっとやってきた真弓が、時代屋の女房として居着いたのは5年前のことだった。 東京は大井町の一隅にある骨董屋を舞台に、男女の淡く切ない恋情と、市井の人々との心温まる日常を味わい深く描いて第87回直木賞を受賞した時代屋の女房。 後に映画化もされ話題を呼んだ秀作と、追われた男と不思議な2人の老人、匿われていた女の“仮名の男女”が演じ合う夢幻劇のようなひと夏の出来事を描いた泪橋、著者による新たなあとがきも併せて収録。
オランダ人の若い女性を殺した、という手紙を犯人の日本人男性から受け取った作家は、事件の現場であるパリを訪れることになる。パリ人肉殺人事件の真相に迫った芥川賞受賞作品にその後日譚を加えた完全版。
掃海艇長、海防艦長を歴任し、本土沿岸防備の任務に従事した一海軍予備士官の記録。太平洋戦争末期、米軍はB29爆撃機によって感応機雷を投下し、日本本土の港湾、水道、海峡の封鎖を始めたー敵の制圧下、関門海峡東部において投下機雷の掃海を命ぜられ、終戦後もなお、友軍敷設の機雷掃海を担った“最前線の戦い”を描く。
大部屋俳優のヤスは、スターの銀ちゃんからかつてのスター女優・小夏を押しつけられる。大好きな銀ちゃんの言うままに、銀ちゃんの子を妊娠した小夏のために危険な仕事を受け続けるヤスだったが……!?
芥川賞史上唯一、兄妹で受賞した吉行淳之介と理恵ー 二人の稀有な資質を示す受賞作二篇とそれぞれの選評を全文収録。 兄と妹への想いを綴った吉行和子のエッセイを併載。 第三十一回芥川賞選評 石川達三/佐藤春夫/宇野浩二/舟橋聖一/丹羽文雄/川端康成/瀧井孝作/第三十一回芥川賞銓衡経緯 第八十五回芥川賞選評 安岡章太郎/丸谷才一/大江健三郎/吉行淳之介/中村光夫/遠藤周作/丹羽文雄/井上靖/瀧井孝作/開高健/第八十五回芥川賞銓衡経過/受賞のことば・吉行理恵
本書では、約1000点の豊富な写真と解説で、現在出回っている花をご紹介しています。花屋さんの店先に並んでいた花、近所の庭先で見かけて名前のわからなかったあの花もきっと載っているはずです。 色と季節からさがせる花のカラー写真もくじは、花を色で分け、季節順に並べてあるので、色と咲く季節からめざす花をさがし出すことができます。また、巻末の知りたい花の名前が見つかる総索引には、タイトルの花名のほか本文中に記載した和名、英名、通称なども含めて50音順に掲載しましたので、目的の花をさがす一助にお役立てください。 *本書は、当社刊花の事典(2003年10月発行)の書名・判型・価格等を変更したものです。
自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは?ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の来訪者も収録する。
独立教会の牧師だった父親が開いていた祈祷会。そこではみんながポロポロという言葉にはならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていたー著者の宗教観の出発点を示す表題作ポロポロの他、中国戦線で飢えや病気のため、仲間たちとともに死に直面した過酷な体験を、物語化を拒否する独自の視線で描いた連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
コロナ禍以降増加する離婚件数。熟年離婚も増加傾向にあります。離婚を心に決めた方に、離婚の基礎知識から有利に進めるためのノウハウ、トラブルの解決方法、離婚後の生活の気がかりや不安解消をサポートする本。まずは離婚の心得7か条からPart1は離婚成立までの道として、離婚の種類、調停から裁判の流れ、離婚協議書、離婚届の書き方などを解説。パートナー婚や国際結婚のケースにも言及part2では生活費、財産分与、共有財産、慰謝料などのあれこれを解説。part3では、子どもがいる離婚と熟年離婚を解説。
明治11年、捕鯨史上の大遭難となった熊野沖の“背美流れ"。それは長年栄えた古式捕鯨衰退の始まりでもあった。時代に置き去りにされるものたちの叫びと愛を描く傑作長編。直木賞受賞作。
直木賞受賞作。土佐藩の上士の娘・苗は、祖母・袖の嗜みであった一絃琴を5歳の時に初めて聴き、その深い音色に魅せられた。運命の師有伯と死別した後、結婚生活で一度は封印したものの、夫の理解を得て市橋塾を始め、隆盛を極めた。その弟子となった蘭子は苗との確執の果て、一絃琴の伝統を昭和に伝える(講談社文庫)。 一絃のみの琴の音色が描く明治の女たちの矜恃と情念 土佐藩の上士の娘・苗は、祖母・袖の嗜みであった一絃琴を5歳の時に初めて聴き、その深い音色に魅せられた。運命の師有伯と死別した後、結婚生活で一度は封印したものの、夫の理解を得て市橋塾を始め、隆盛を極めた。
文明開化期の大阪の町を舞台とした異色捕物小説。36話からなる浪花の源蔵召捕記事の全編を全5巻に収録。 本巻では第80回(昭和53年下半期)直木賞受賞作品の大浪花諸人往来(角川書店)所収の、西郷はんの写真、天神祭の夜、尻無川の黄金騒動、大浪花別嬪番付、鯛を捜せ、人間の皮を剝ぐ男の6編を収録。 多くの捕物小説が江戸時代の江戸を舞台とする中で、明治初年の文明開化期、しかも大阪の町を舞台としたという極めてユニークな設定の捕物小説であるとともに、大阪人の心意気や、文明開化に伴う急激な世相の変化に翻弄される庶民の心情がユーモラスに描かれた傑作。
元女性教師と教え子の恋の結末はーー。 わたしはね、善ちゃんのお嫁さんになりたかったんだ、これでも 女学校を出たばかりの教師・伸予は、教え子で中学三年生の善吉に恋心を抱いていた。卒業後は交流が途絶え、伸予は許嫁との結婚と死別を経験し、最近は趣味に没頭する日々を送っていたが、教師仲間からの情報で善吉の消息を知り、再会を果たす。 中年になってなお、少女のような純粋さを保っている伸予と、どこか冷めた雰囲気を漂わせている善吉。二度目の逢瀬でついにふたりは結ばれるがーー。 第79回芥川賞を受賞した表題作のほか、第37回文學界新人賞受賞作ぽぷらと軍神、清吉の暦の全三編を収録。
よどんだ水に浮ぶ舟べりから少年は何を見たのか?幼い眼でとらえた人の世のはかなさを描く、処女作泥の河。北陸・富山に舞う幾万の螢を背景に、出会い、別れ、そして愛を濃密な情感と哀切な叙情にこめてとらえた螢川。ネオン彩る都会の一隅にくりひろげる父と子の愛憎劇を軸に、男たち女たちの人情の機微をからめた道頓堀川。川を背景に独自の抒情を創出した宮本文学の原点三部作。
子育てと教育を問い直す直木賞受賞の話題作 東北の寒村で小学校教師をしている夫妻が、ひょんなことから学校に通ったことのない少女・吏華を預かることになった。吏華は5歳のころより老画家に連れられて、住まいを転々としていたのだ。 厳格な<男先生>と社会常識のかけらも身につけていない吏華、その間に立って右往左往する<女先生>の波乱の日々が始まるーー。 子育てとは、教育とは何かを問う問題作で、1976年に第41回文學界新人賞、第76回直木賞を受賞。1979年には映画化され大きな反響を呼んだ。 より事実をなぞっているといわれる姉妹作親もどき小説・きだみのるを同時収録。
村上龍のすべてはここから始まった! 文学の歴史を変えた衝撃のデビュー作が新装版で登場!解説・綿矢りさ 米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめくーー。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に! 群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作
あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の私小説を超えた独自世界。芸術選奨空気頭、谷崎賞田紳有楽両受賞作を収録。
列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯・榎津巌。捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された榎津は死刑にー。綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔を三十数年ぶりに全面改訂した決定版。
如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の祭りの場、空罐を冒頭に置く連作ギヤマン ビードロを併録。
シレジア国の新たな王を選ぶための代理競技は、 無事に幼王マルセル側の勝利で終わり、平和が訪れるはずだった。 だが、蓋を開けてみれば王冠は何者かに奪われ、 立会人を務めた“ラントフリート王子"の行方もわからない。 このままではまた、新たな争いが起き、傷つく人間が生まれてしまう。 血の付いたリヒトの衣服が発見されたことで取り乱したニナだが、 騎士として何ができるかを考え始める。 一体、この国でなにが起きているのか。 代理競技や街で出会った赤金色の髪の青年は一体誰なのかーー。
邪馬台国は九州・八女にあった。 これまでの邪馬台国論に多く見られるような、魏志倭人伝の細かい記述に固執したり、遺跡・遺物に必要以上に意味をもたせたりすることなく、従来軽視されてきた記紀をはじめ、神社の祭神や神事、民間伝承の検証を通し、古代日本の精神文化という視点から古代国家の起源を解き明かす全く新しい邪馬台国論。
権力に抗し、教団を捨て、地獄の地平で痛憤の詩をうたい、盲目の森女との愛に惑溺してはばからなかった一休のその破戒無慙な生涯と禅境を追跡した谷崎賞受賞に輝く伝記文学の最高峰。
少女は大人の世界に越境する。 *表題作他、生と死の喜びと痛みをうたう* おとぎ話、抒情詩、ゴシック詩、ソネット、 インド、ジャンシの砦にて 一八五七年六月八日
江戸で人気の駕籠舁きといえば、“駕籠留”の新三と太十だ。 夏も間近な小雨の日、新三と共に町を流していた太十は、川に身を投げんとしていたおそのという女を助ける。 彼は幼い頃、母親を身投げで亡くしており、おそののことを放っておけなかったのだ。 しかしおそのは、自分は死なねばならぬとしきりに嘆く。彼女に一体何があったのかーー。 太十は新三と共に、背後にある事件を追うが、普段は冷静な彼の心は千々に乱れ……。 新さんと太ァさんは、ほんにやさしい男だねえ 小粋な二人組、今日も江戸を駆ける!
スマホやタブレットで使える便利な電子書籍付き 電子レジャーチケット200円クーポンでお得旅 この1冊で、安曇野、白馬、松本の遊び方を網羅! 癒やしをテーマにそれぞれのおすすめスポットをご紹介! ・安曇野アートラインで巡る! 緑の美術館 ・ご当地グルメ(そば、松本山賊焼、馬肉) ・白馬の3大人気スポット(白馬岩岳マウンテンリゾート、snow peak LAND STATION HAKUBA、うさぎ平テラス) 上記のほか、各エリアの名物グルメ、注目宿情報も満載です。
海坂藩士・葛西馨之介は周囲が向ける愍笑の眼をある時期から感じていた。18年前の父の横死と関係があるらしい。久しぶりに同門の貝沼金吾に誘われ屋敷へ行くと、待っていた藩重役から、中老暗殺を引き受けろと言われるー武士の非情な掟の世界を、端正な文体と緻密な構成で描いた直木賞受賞作と他4篇。
匍匐、早駆け、射撃訓練、そして咽をしめつける渇きー新人自衛隊員たちの日常と肉体の煌きを描画し、芥川賞を受賞した草のつるぎなど真率な視線で描かれた作品群。初単行本化作品・連作小説水辺の町全篇収録。
昭和二十年の夏、敗戦によっていきなり奈落の底へ突き落された陸軍幼年学校の少年兵たちーー その懊悩と混乱の中で引き起こされる精神のドラマを鮮烈に描いた問題作!
材木問屋の若旦那、栄次郎は、絵草紙の作者になりたいと死ぬほど願うあまり、自ら勘当や手鎖の刑を受け、果ては作りごとの心中を企むが…。ばかばかしいことに命を賭け、茶番によって真実に迫ろうとする、戯作者の業を描いて、ユーモラスな中に凄みの漂う直木賞受賞作。表題作のほか江戸の夕立ちを収録。
20代の一時期、中原淳一の設立したヒマワリ社(のちのひまわり社)で、それいゆ編集部に勤めていた著者の戦時中の幼年時代から戦後の疎開先での日々、編集部時代、結婚後、札幌、仙台、名古屋と転勤先で出会った、その地域ならではの美味しいものたち、結婚生活の中で腕を磨いたレシピの数々など、それぞれに著者の歴史と切っても切れない思い出が詰まった食べ物たちへの感謝の思いを込めたグルメエッセイ。何度書き直してもOKが出ない原稿に苦しんでいる時、往年の宝塚大スター葦原邦子さん(中原淳一夫人)がささっと出してくれた海苔巻きと暖かな番茶のエピソードなど、著者でなければ経験し得なかったこぼれ話も楽しい。
敵前逃亡・奔敵、従軍免脱、司令官逃避、敵前党与逃亡、上官殺害。陸軍刑法上、死刑と定められた罪で戦地で裁かれ処刑された兵士たち。戦争の理不尽を描いた直木賞受賞作に著者の自作再読エッセイを収録した増補版。
ポーリット伯爵の思惑で誘拐されたアレックスを救出するため、銀糸のムチを手に敵陣へ乗り込むエドナ。敵をなぎ倒す妻の姿を目撃したイーライにエドナが明かす秘密…それは、アースワールドの王子イーサンの名前だった──。韓国で超話題の恋愛ファンタジーコミック、第9巻!!
かつて、川には、人々の生活が息づいていた。夏の水辺は、水遊びの子供達でいっぱいだった。私達は、この国の自然に生かされ、文化を育み、時を繋いで来たのではなかったか。 いつのまにか川は、ただの水路となり、山は無価値なものとして、打ち捨てられてしまった。いずれバチ(罰)が当たると、祖母の言葉を思い出した。 日本三大清流に数えられる長良川は、本州の大河で唯一本流にダムと堰のない川と言われ、山・川・海の連続した生物圏の上に豊かな水文化が育まれてきた。アユをはじめ海と川を回遊する生き物、汽水域で生活する生き物は長良川の大切な恵みであり、川の生物圏の連続性、持続可能性の指標だが、河口堰はその営みを分断した。
第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作プレオー8の夜明け。 他に筆者処女作墓地でから、晩年の名品セミの追憶(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのかーー今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。
九十歳、何がめでたいの原点。弱気な夫と、巨額な借金を背負い込んで奮闘する妻を、独特のユーモアとペーソスで描く直木賞受賞作。ほかにひとりぽっちの女史佐倉夫人の憂愁結婚夜曲などの傑作短篇7篇、新装版あとがきを収録。 ああ 男! ああ 男!
男の子いかに生くべきかーー。風邪をひいて、万年筆を落として、東大入試は流れるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ十二年も飼ってきた犬に死なれ、左足の親指の爪まではがしてしまった。幼馴染の由美とはささいなことから仲違い。踏んだりけったりのスタートを切った、薫の一日は……。戦後日本の価値観の揺らぎに肉薄した、現代青春小説の最高傑作。
喪失感をそれぞれに抱え、インドへの旅をともにする人々。生と死、善と悪が共存する混沌とした世界で、生きるもののすべてを受け止め包み込み、母なる河ガンジスは流れていく。本当の愛。それぞれの信じる神。生きること、生かされていることの意味。読む者の心に深く問いかける、第35回毎日芸術賞受賞作。 人は皆、それぞれの辛さを背負い、生きる。 そのすべてを包み込み、母なる河は流れていく。 本当の愛、生きることの意味を問う、遠藤文学の集大成!
美しい港町、アカシヤ香る大連。そこに生れ育った彼は、敗戦とともに、故郷を喪失した。心に巣喰う癒し難い欠落感、平穏の日々の只中で、埋めることのできない空洞。青春、憂鬱、愛、死。果てない郷愁を籠めて、青春の大連を清冽に描く、芥川賞受賞の表題作。ほかに朝の悲しみ初冬の大連中山広場サハロフ幻想大連の海辺での、全6編を収録。
辛亥革命後の中国で、ある宦官に清朝時代の宝物・青玉獅子香炉の贋作をつくってほしいと依頼された李同源は、名人の弟子というプライドを胸に、本物に勝るとも劣らない見事な品を彫り上げる。 真作として紫禁城内に収められた李同源の獅子香炉は、その後、国共内戦が激化したため、安全な場所に移送することに。獅子香炉にただならぬ愛着があった李同源も随行するが、宝物が入っているはずの箱を開けてみると……。
乾いた筆致で描くある主婦の“孤独と倦怠” 異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。 遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿三匹の蟹へ行こうと誘うのだった。 果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した三匹の蟹は第59回芥川賞を受賞。三匹の蟹以前に執筆された日本人女性留学者の青春への決別を描いた連作構図のない絵、虹と浮橋も併録。
言葉のプロが500人以上の声を集めて作った一冊。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー イソップの寓話北風と太陽のお話を覚えていますか? 本書は北風上司と太陽上司を主人公にした物語形式の一冊です。 急激な働き方の変化、昭和・平成・令和各世代の価値観の違い…。 そして動画、写真、絵文字などによる“言葉”の進化。 こうしたなかで、人はどんな言葉に救われ、前向きな気持ちになれるのか。 逆に、どんな言葉に足がすくみ、気力を失うのか。 博報堂スピーチライターで話し方のプロである 著者ひきたよしあきさんが 500人以上の声から導き出した相手に響く言葉選びと伝え方のコツをご紹介します。
昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。虱だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ四歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかったー浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた火垂るの墓、そしてアメリカひじきの直木賞受賞の二作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。
太陽系国家ゴーフリーは、独栽者ルキアノスに対抗する反政府軍の軍事行動に揺れていた。反乱軍の拠点は、聖少女ネネトの力で守護された城塞都市ダイロン。しかし皇帝派の執拗な攻撃によりネネトは負傷、治療のためにはダイロンを離れる必要があった。ジョウたちの任務は、これを好機とネネト捕獲に乗り出すであろう皇帝派の襲撃から彼女を守ること。ルキアノスは、最強の刺客、サイボーグ戦士ザックスを送り込んできた。
米国統治下の沖縄で日本人、沖縄人、中国人、米国人の四人が繰り広げる親善パーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり、国際親善の欺瞞が暴露されていくー。沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか、亀甲墓棒兵隊ニライカナイの街そして日本語版未発表の戯曲 カクテル・パーティーをふくむ傑作短編全五編を収録。
平凡な男の部屋に闖入して来た9人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの真意とは?どす黒い笑いの中から他者との関係を暴き出す傑作友達改訂版。日常に潜む底知れぬ裂け目を三つの奇妙なエピソードで構成した棒になった男。激動の幕末を生きた人物の歴史的評価に新たな光を当てた榎本武揚。斬新な感性で“現代”を鋭く照射する、著者の代表的戯曲3編を収録。
直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集 日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、”血”とは何かを追求した剣ケ崎。 金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた白い罌粟。 没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を”死”で締め括った人妻を描いた薪能。 義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く流鏑馬、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く薔薇屋敷。
ソ連の老作家が書いた痛烈な体制批判の小説。その入手を命じられた元新聞記者・鷹野は、本人に会い原稿を運び出すことに成功する。出版された作品は、全世界でベストセラーとなり、ソ連は窮地に立った。ところが、その裏には驚くべき陰謀が…。直木賞受賞の表題作など全5篇を収めた、初期の代表的傑作集。
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常を対比させ、死刑執行日に到るまでの担当刑務官と死刑囚の心の動きを、緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る、芥川賞受賞作夏の流れ。稲妻に染まるイヌワシを幻想的に描いた稲妻の鳥。ほかに、その日は船で雁風呂血と水の匂い夜は真夜中チャボと湖など、初期の代表作7篇を収録。 丸山健二の文学性は、ジェームズ・ジョイスに通じる。本作品集に収録されている初期短編を改めて読みながら、私はそう思った。(中略)すぐれた芸術家は生涯を通して変貌を続けるが、若き日の作品群は作品を受容する側にとっての定点を提供する。
ある朝、母の夢にあらわれた、しぶくように美しい虹の色。あれはいったい何を告げていたのか。 12年前の2012年、笹子トンネル事故で他界した息子が、生前に撮影したネパール・モロッコ・カンボジア・チベットの写真の数々に、母の添えたいのちの詩と物語が響き合う。共著による写真詩集。 2019年、共同通信社ビルのギャラリーでひと月にわたって開催された写真展には、さまざまな人々が訪れた。その記録をつづったエッセイも、あわせて収録。 画家・葉祥明氏推薦。
本日からこの会社で秘書を始めます…!! ブラック企業を辞め、念願の転職を果たした瀬戸千鶴。 新たに勤めることになったのは、爽やかで優しい社長・橘が率いる会社だった。 働きやすい環境に安心する千鶴だったが、ふと目に入ったのはデスクに並ぶ “ある製品”。 そう、ここは大人の玩具を開発する会社だったのだ。 社内で行われる試作レビューを任されることに。 しかし、一人で検証するには限界があって… 悩む彼女に手を差し伸べたのは、あの優しい社長・橘。 正確なレビューのために、協力するよ 穏やかな微笑みの裏に隠された、 もう一つの顔を千鶴は知ることになる…。
昭和20年、すでに夫を喪い、家も戦火に焼かれてしまった母子が、遠縁を頼って東北の寒村に身を寄せる。だが、そこは安住の地ではなかった。 頼るべき知己もおらず、終戦後は都会に戻るという希望も断ち切られ、迫りくる厳しい冬を前に、母は自ら死を選ぶ……。ノンフィクション作品のような感情を抑えた筆致が、かえって読む人の想像を掻き立てる。 第54回芥川賞に輝いた表題作のほか、やはり身近な人の死をテーマにした夏の日の影霧の湧く谷、大学の二部に通う学生たちの葛藤を描いた浅い眠りの夜の三篇を収録。
1955年、共産党第6回全国協議会の決定で山村工作隊は解体されることとなった。私たちはいったい何を信じたらいいのだろうかー六全協のあとの虚無感の漂う時代の中で、出会い、別れ、闘争、裏切り、死を経験しながらも懸命に生きる男女を描き、60〜70年代の若者のバイブルとなった青春文学の傑作。
"終焉の女神"フィーニスによって黒人形化された聖者たちを止めるべく、イグザはエルフの里から少し離れた樹海上空で"弓"の聖者・カナンとの激闘を繰り広げていた。 神器の力の影響か、黒人形化された聖者たちは"幻想形態"を発現していて、その力は鳳凰紋章で強化された聖女たちを完全に凌駕し、イグザの浄化能力すら上回るほどで苦戦を強いられる!! そんな中、エストナではエリュシオンに首を飛ばされたはずのフィーニスが、完全な姿で出現!! 不滅であり神器の制御権を握っている彼女に迂闊なことはできない聖女たち。
第50回直木賞を受賞した単行本塵の中は、道祖神幕暗い血強い女、そして塵の中という4篇からなる。 選考委員のあいだでとくに評価が高かったのは、安藤広重の浮世絵を巡って張り合う男女の機微を描いた道祖神幕で、4作品中唯一の書き下ろし。また、外国人とのあいだにできた子を育てる蝶子が、数々の不運に見舞われつつたくましく生きていく強い女は、老猿として雑誌に掲載され、直木賞候補にあげられている。 表題作の塵の中は、吉原の遊女だった咲子が、普通の幸せを求めて、妻に先立たれた男と所帯を持つものの、夫婦関係や夫の連れ子との関係が思うに任せないもどかしさを描いた中篇。
描かれているのは、昭和の年号とともに生きてきたサラリーマンのごく普通の日常に過ぎない。しかし、エッセイとも日記とも思えるスタイルと軽妙洒脱な文章を通して、それが大変な出来事の積み重ねであることが分かってくる。卓抜な人物描写と世態風俗の鋭い観察によって、昭和一桁世代の哀歓と悲喜劇を鮮やかに描き、高度経済成長期前後の一時代をくっきりと刻む。
池波正太郎の直木賞受賞作、文庫として復刊! 信州松代藩十万石。馬廻りの藩士・平五郎は、温厚な人柄で城下に知られ、誰もが盤を囲みたがる好人物。隠居中の先代藩主・真田信之にも気に入られ将棋の相手をさせられるほどである。ある日、藩主の信政が突如卒倒、三日後に没して城下は騒然となった。その報を聞いた堀平五郎の目に、一瞬、異様な鋭い光が走ったー。
夜の非人間的な女誑しと昼間の正義の医師、植秀人。大阪の阿倍野を舞台に、デカダンス、ニヒリズム、無気力、情欲、犯罪が百鬼夜行する異常空間を描いた、ハードボイルド的長編推理の傑作。第44回直木賞受賞作品。
兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れに戦きながらも、強いてたくましく生き抜こうとする大学生の“私”が小料理屋につとめる哀しい宿命の娘志乃にめぐり遭い、いたましい過去を労りあって結ばれる純愛の譜忍ぶ川。読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた名作である。他に続編ともいうべき初夜帰郷團樂など6編を収める。
無銘の古刀に名匠の偽銘を切って高価な刀剣にみせかける鏨師。その並々ならぬ技術を見破る刀剣鑑定家。火花を散らす名人同士の対決に恩愛のきずながからむ厳しい世界をしっとりと描いた第41回直木賞受賞作鏨師のほか、神楽師狂言師狂言宗家など、著者が得意とする芸の世界に材を得た初期短編集。
実地踏査に基づく全130コースの登山ルートを収録。 丹沢をより安全に、深く楽しむためのこの1枚! ■サイズ:B1判変型のオールカラー両面刷り地図、 折畳みサイズ=横/約112ミリ×縦/約173ミリ×厚さ/約5ミリ・ビニール袋入 ・重さ約50gと軽く、リュックなどに収納しやすいコンパクトサイズ。 ・雨や水に濡れても破れにくく、折目がつきにくい地図用特殊紙使用 2人気エリアを一目で把握できるレイアウト 3第二東名とその接続部の実情を記載。 2012年に初版発行、2015年、2018年には改訂版をリリースするなど人気のエリア東丹沢の新版の改訂版。 ベース図を第二東名も記載された新電子地形図に一新。
敗戦後の長春。かつて満州国の首都で新京と呼ばれたこの街は、ソ連軍の占領下から国民政府の統治となり、ついで共産軍により占領され、さらに米国供与の武器で武装した国民党軍に奪還された。日本の敗戦後、在留邦人は俘虜となって職を失い、次々に入れ替わる統治者の政策で翻弄される。 第39回直木賞(昭和33年上半期)受賞作。半世紀ぶりの復刊。
直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた事故専務をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。
ヒトを洗う/ヒトを飼う。ノーベル賞作家の輝ける初期作品群。 死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情死者の奢り、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌他人の足、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇飼育、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた人間の羊など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。
戦争が人々の心に刻んだ傷跡を描く名短編集 2万人以上の日本兵が亡くなった硫黄島で辛くも生き残り、終戦後も3年以上穴居生活を続けた片桐正俊。投降時に岩穴に隠した日記を取りに行けることになったので、そのことを記事にしてほしいと新聞記者である私に依頼する。 だが、片桐はせっかく再上陸できた硫黄島で、自死してしまう。その原因を探るべく奔走する私は、やがて戦争が片桐の心に刻みつけた傷の深さを知ることになるーー。 第37回芥川賞を受賞した硫黄島のほか、海軍兵学校に通う若者の葛藤を描き、映画化もされた青春群像あゝ江田島など、戦争文学の名作短編6篇を収録。
あの男が大統領として戻ってから、自由、人権、司法、立法、経済、国際関係、ホワイトハウス…あらゆるものが破壊されてしまった。そしてベネズエラまでも! 2026年の正月早々、世界を驚愕させたベネズエラ侵攻だが、その予兆はあった。 本書は、週刊文春の連載コラムをトランプの再選が決まってからの1年間ぶんを集めたものだが、2025年11月発表のコラムにはこうある。 <(大統領次席補佐官スティーヴン・)ミラーは今、ベネズエラを狙っている> <トランプ政権は同国のニコラス・マドゥーロ大統領が麻薬カルテルを運営していると主張している。
時は大正十一年、五月。かつて夜闇に紛れて暮らしていた妖怪が人の世にも広く周知されて久しい。人の世に迎合し、自身の性に逆らってでも人と並び立とうとする妖怪がいる反面、大昔と変わらず人を餌と認識し、襲う妖怪も後を絶たない。 祖父と暮らす鬼籠野いろはは、名門女学校の生徒という以外に、もうひとつの顔があった。帝都を騒がせる妖怪を捕縛する組織“勝烏”の一員なのだ。相棒である人狼ロウと仕事の報告に本部を訪れると、老舗仏具店ミツクラ店主の屋敷で起きている怪異を解決するよう命じられた。しかし店主の満倉倫史はいろはを頭ごなしに怒鳴りつけ、怪異の詳細を説明してくれない。息子の享史も様子がおかしくて…?
類稀なる傑作。私たちの甘さを根底から容赦なく揺さぶってくる(東山彰良氏解説より) 金だけだ。金だけがあてになる唯一のものだーー。 戦後まもない香港で、故郷を捨てた台湾人たちがたくましく生き抜く姿を描き、一九五六年、外国人初の直木賞受賞作となった香港。日本統治と国民党の圧政のもと、ある台湾人青年が味わった挫折と虚無を主題とする濁水渓。著者の青春時代が結晶した代表作に、作家デビュー当時を回顧した随筆私の見た日本の文壇を増補した新版。解説東山彰良
軽妙な語り口で市井の人びとの日常をユーモラスに描いた梅崎春生。直木賞を受賞した表題作ほか、黒い花零子など同賞の候補となった全四篇と、自作について綴った随筆を併せて収める。文庫オリジナル作品集。 黒い花/拐帯者/零子/猫と蟻と犬/ボロ家の春秋 私の小説作法/私の創作体験/わが小説/私の小説作法 巻末エッセイ名前(野呂邦暢)解説荻原魚雷
見知らぬ女がやすやすと体を開く奇怪な街。空襲で両親を失いこの街に流れついた女学校出の娼婦あけみと汽船会社の社員元木との交わりをとおし、肉体という確かなものと精神という不確かなものとの相関をさぐった原色の街。散文としての処女作薔薇販売人、芥川賞受賞の驟雨など全5編。性を通じて、人間の生を追究した吉行文学の出発点をつぶさにつたえる初期傑作集。
アメリカン・スクールの見学に訪れた日本人英語教師たちの不条理で滑稽な体験を通して、終戦後の日米関係を鋭利に諷刺する、芥川賞受賞の表題作のほか、若き兵士の揺れ動く心情を鮮烈に抉り取った文壇デビュー作小銃や、ユーモアと不安が共存する執拗なドタバタ劇汽車の中など全八編を収録。一見無造作な文体から底知れぬ闇を感じさせる、特異な魅力を放つ鬼才の初期作品集。
初期作品世界デビュー作ガラスの靴芥川賞受賞悪い仲間陰気な愉しみ他、安岡文字一つの到達点海辺の光景への源流・自己形成の原点をしなやかに示す初期短篇集。幼少からの孤立感、“悪い仲間”との交遊、“やましさ”の自覚、父母との“関係”のまぎらわしさ、そして脊椎カリエス。様々な難問のさなかに居ながら、軽妙に立ち上る存在感。精妙な“文体”によって捉えられた、しなやかな魂の世界。 幼少からの孤立感、“悪い仲間”との交遊、“やましさ”の自覚、父母との“関係”のまぎらわしさ、そして脊椎カリエス。様々な難問のさなかに居ながら、軽妙に立ち上る存在感。精妙な“文体”によって捉えられた、しなやかな魂の世界。
ファシズムよりもさらに右側に位置する欧米極右の知的・霊的ゴッドファーザーの主著。 現代世界に対して決定的に反動的であり、男性的な霊性、貴族的な尊厳、帝権の尊厳の意味価を擁護。過ぎ去った光輝に満ちた伝統世界(基本的にアーリヤおよびローマ圏の過去)の諸相を現代世界に対置しながら論じ、世界を覆う伝統の精神を参照しつつ、その廃墟の上に現代文明のすべてが築かれている、という観念に明証を与える書。 第1部伝統の世界では、伝統的霊性の教説について論じ、第2部現代世界の誕生とその相貌では近代世界の誕生に到るまでの歴史的時間経過について考察する。進化という現代の迷信には、退行や逆行という伝統的観念が対置される。
豊臣秀次の剣の師で夢想剣を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。 そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするがーー。 第28回芥川賞に輝いた出世作喪神のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く柳生連也齋、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作一刀齋は背番號6など、剣を題材にした珠玉の11篇。
史実に残らない小倉在住時代の森鴎外の足跡を、歳月をかけひたむきに調査する田上とその母の苦難。芥川賞受賞の表題作の他、父系の指菊枕笛壺石の骨断碑の、代表作計6編を収録。
私はこの楽しみを世人に分かちたい。人生を植物研究に捧げた牧野富太郎博士。ユーモアたっぷりに植物のすべてを語りつくしたエッセイ集を装いも新たに復刊(全5巻)。第2巻では、桜や梅など春を代表する草花と、万葉集の草木にまつわる話を紹介。
再犯防止の切り札となるか? 新章を追加・増補を行った改訂増補版! 2016年から施行された刑の一部執行猶予制度。その本来の在り方を模索しながら、全部執行猶予の一部取消制度を検討する新章を追加し、今後の制度設計をも提唱する。 研究者はもちろん実務家にも必携の書籍、改訂増補版。 刑法改正により導入された、刑の一部執行猶予制度とはどのような制度なのか。 再犯防止の切り札となるのか。 犯罪者を改善更生させ、その再犯を防止するうえで、刑の一部執行猶予という新しい刑の仕組みがどうあるべきかを、制度の本質論から分析・検討し、今後の課題について展望をする。
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について太陽のせいと答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
九州某所に幽閉された鉄仮面とは何者か、私立探偵法水麟太郎は、死の商人・瀬高十八郎から、彼を救い出せるのか。帝都に大流行したペストの陰の大陰謀が絡む、ペダンチック冒険ミステリ。
都内で起きた強盗事件と窃盗事件。警視庁捜査3課で盗犯捜査ひと筋の萩尾秀一は、ふたつの事件には繋がりがあるとして、部下の武田秋穂とともに捜査を始める。捜査1課との軋轢や駆け引きの中で、ベテランの萩尾は何を見て、若い秋穂は何を考えるのか。継続とひらめきが融合した円熟の警察小説、待望の文庫化。連続テレビドラマ原作。
ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした恋愛心理小説猟銃。社運を賭した闘牛大会の実現に奔走する中年の新聞記者の情熱と、その行動の裏側にひそむ孤独な心情を、敗戦直後の混乱した世相のなかに描く芥川賞受賞作の闘牛。無名だった著者の名を一躍高からしめた初期の代表作2編の他比良のシャクナゲを収録。
遠き地平は、老境を迎えた著者が、ふとした拍子に思い出す若き日の一シーンを、臨場感たっぷりに描いた自伝的連作小説。 樺太で経験した“強制労働”、思想容疑者として満州に逃避行した話、満州での会社員生活、出征中に妻子が戦災で亡くなったことなど、いずれも味わい深い9篇の短編で構成されている。 また、満州で働いた経験から書かれた劉広福は、出征先の中国で芥川賞受賞の知らせを受けた秀作で、周囲から馬鹿にされていた一人の満州人が奇跡を起こす痛快な物語。
実録クライミングコミック! 一人挑む! 泰史は若き日の平山ユージと意気投合し、共に渡米して、ヨセミテでフリークライミングの研鑽に励む。だが二人の間には徐々にわだかまりが…? そしてフリークライミングの総決算と自ら定めた課題、エル・キャピタンへ泰史は脇目もふらず突き進んでゆく! 唯一のリアルクライミングストーリー、ついに巨大な収穫が……! 山を愛し山に挑み続ける人たちにとって、最大の名誉であるピオレドール生涯功労賞をアジア人でただ一人受賞した孤高のカリスマ・山野井泰史。その半生を追う唯一のリアルクライミングストーリー!
山畠正男・五十嵐清・薮重夫先生古稀記念論文集。北海道大学で3先生から直接講義、演習、論文指導などの指導を受けた者が論文を寄稿、16論文を収録。本書のほかに民法学と比較法学の諸相1、2がある。<執筆者>松久三四彦/林田清明/篠昭次/品川孝次/高木多喜男/湯浅道男/田處博之/下森 定/澤井 裕/水野紀子/藤原正則/木下 毅/佐保雅子/菅原勝伴/坂本武憲/松嶋由紀子
日本は古来、神の国だった──。 聖武天皇は和紙を用いて膨大な数の写経を推進し、国家の安泰を図った。 紫式部は和紙と紙巻筆の特性を生かして、源氏物語を書いた。 浮世絵は和紙なしには生まれない芸術だった──。 国家経営から芸術、日常生活への寄与まで、 驚くほど広範囲に能力を発揮した。 黒子として歴史を生きてきた和紙に光を当て、 日本史を読み直す。
農林水産副大臣 山下雄平氏推薦! 地域を活性化するイノベーション人材は、なぜそこにやってくるのか? 地方創生の現場20年以上の経験と理論から紐解く、地域再生の新視点。 地方創生大臣賞を受賞した元自治体職員、現大学教授の著者が贈る、観光・まちづくりの羅針盤 今、本当に地域を変えるのは人の数ではなく人材の質観光をきっかけに地域と出会い、起業し、雇用を生み出すような“イノベーション人材” の存在が、地方の未来を形づくる鍵を握っているーー。 観光は単なる集客の手段ではありません。 観光は、地域が他者を受け入れる力を育てる、極めて重要な社会的装置なのです。
日系企業の進出を通じたメガ都市圏の変容を焦点に、中国(上海・天津・華東)における産業クラスターの姿を浮き彫りにする! 今日の日本の産業にとって最大の焦点となっている家電敗戦・デジタル敗戦についても検証!
詐欺師から足を洗い、実演販売士として生きる道を選んだ武沢竹夫に、 訳ありの中学生・キョウからとんでもない依頼が。 母親が残酷な詐欺被害にあったのを境に、厳しい現実を生きることになったキョウ。 武沢は彼女を救うため、かつての仲間を再集結、大仕掛けを計画する。 シリーズ累計70万部の人気作!
長野県小県郡県村(現東御市)から日露戦争に出征した兵士たちが、母校である旧県尋常高等小学校(現東御市立田中小学校)の校長小林彦次郎に宛てた軍事郵便の解読と評論。 この軍事郵便は日露戦争開戦直後の1904年3月から兵士帰還が終了した1906年2月までに出された約550通で、彦次郎の子孫が保管してきた。個々の兵士の足跡や軍隊内部の日常生活などが細かく書かれており、研究者による専門書や軍などの公的記録にはない、戦地の兵士の生の声が綴られている。 著者は、元高校教諭で上田小県近現代史研究会事務局長。兵士たちが母校の校長に送り続けた550通の手紙を読み解くことによって、日露戦争とその時代について考える。
エレキテルを復元した江戸のマルチタレント 新学習まんが人物館の第6弾として、大河ドラマべらぼうでも大活躍した平賀源内が登場します。 静電気発生装置エレキテルの復元に成功しただけでなく、タルモメイトル(温度計)や量程器(歩数計)などを製作。日本初の博覧会薬品会をプロデュースし、その成果をまとめた百科事典物類品隲を作成。さらに戯作・浄瑠璃本を執筆し、西洋画西洋婦人図を描き、陶器源内焼を生み出し、土用の丑の日にうなぎをと商品にキャッチコピーをつけるなど、多岐にわたる活躍をした平賀源内。江戸幕府の老中・田沼意次に才能を高く評価された彼は、鉱山開発などを命じられ、各地の鉱山に出向いています。
実力派の冒険者だったにもかかわらず、悲惨な事件がきっかけで引退を考え始めたバン。彼が途方に暮れて森をさまよっていたところ、偶然出会った魔物スレイプニルの仔馬に情が湧いてしまい、ニールと名付けて育てていくことに。ところが仔馬のニールはすさまじく大食いで、食費のせいでどんどんお金がなくなっていく。バンは金策のため、巨大に成長したニールを使った乗合馬車業を始める。
少年漁師・万次郎の数奇な運命を描いて直木賞を受賞したジョン万次郎漂流記、岩穴にとじこめられた山椒魚の悲哀を描く山椒魚のほか、屋根の上のサワン鯉休憩時間の名作5編を収録。
女たちの静かで烈しい闘い。大坂城の大奥で豊臣秀吉の夫人たちが繰り広げる凄まじいまでの闘争、それに翻弄される千利休の娘の行 く末はーー。直木賞受賞2作品を収録した傑作短編集。
厖大・絢爛たる華厳経の掉尾を飾る普賢行願讃。そこに説かれる大乗菩薩の広大な誓願を、初期大乗の先駆経典と、インド・チベットの諸注より解明し、浄土の菩薩の利他行への展開を探る。普賢行願讃以下、二つの先駆経典、陳那(ディグナーガ)、釈友(シャーキャミトラ)、智軍(イェシェデ)の三注の全訳を収録した、貴重な成果。 (舎利弗悔過経三曼陀跋陀羅菩薩経の解題と全訳) (本経の解題・諸本対照表と、普覆王誓願の抄訳) (普賢行願讃を含む陳那釈/釈友釈の解題と全訳) 第6章 極楽往生後の利他行としての普賢行
地中海を中心に興亡を繰り返したさまざまな古代文明の世界、すなわち地中海世界の歴史を、古代ローマ史研究の第一人者、本村凌二氏が描きつくす。講談社選書メチエ創刊30周年を記念して堂々刊行する、全8巻。第1回配本は、1・2巻の同時発売。 地中海世界といえば、従来は古代ギリシア・ローマ世界のことと思われてきたが、近年の研究ではもっと広く、古い時代からとらえられるようになってきた。それは、文明の発祥地メソポタミア、エジプトから、ペルシア帝国、ギリシアの都市国家を経て、ローマ帝国の誕生と崩壊にいたる、約4000年の歴史世界である。
ホラズム国の皇子が大軍を率いてチンギス・カンとの一大決戦に臨む! カラ・クム砂漠の戦場からホラズム軍が離脱する。チンギス・カンは、スブタイとジェべ、バラ・チェルビの三人の将軍にその追討を命じた。ホラズム国の帝は西へと退却しながらも、モンゴル軍との戦を継続する。スブタイらは敵の誘いに乗ることを決断した。 一方、ホラズム国の皇子ジャラールッディーンは、南の地で二万騎の指揮を任された。モンゴル国の将軍シギ・クトクがその討伐に向かう。皇子は原野に本営を置き、ジャムカの息子マルガーシもそこにいた。皇子が初めて大軍を率いてモンゴル軍との戦いに挑む。 大国との戦いがついに最終局面をむかえる、好評第十六巻。